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永島徹の「風」の贈り物

つながりを創るきっかけとは…

 近頃、研修会や地域福祉の話題の中で「連携」「ネットワーク」というキーワードが多く使われているようです。
 ただ、あらためて「連携」「ネットワーク」と言われると、具体的にどのようなこと意味しているのでしょうか? 専門職との連携、機関との連携とも言われますが、気をつけて考えていかないと、何のための連携やネットワークなのかが見えなくなってしまいます。専門職の専門性を誇示するためのものにはなってほしくないですね。
 「連携」「ネットワーク」は、専門職だけのものではありません。私たちがなじみのある地域で暮らしていくためには、どんな連携やネットワークが必要なのか? 専門職だけではなく、地域に暮らすみなさんと考えていくことが重要です。専門職も地域住民も、ともに自分たちの生活に何が必要なのかを考える機会も大切だと思います。

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 今週は、栃木県上三川町で講演させていただきました。タイトルはズバリ「必察! 認知症ケア」です。対象者は、この町の介護保険サービスにおいて日々ケアマネジメントを実践している介護支援専門員と福祉相談員の方々でした。福祉相談員には民生委員の方も含まれており、とても熱心に受講してくれました。
 講演が始まる前に、福祉相談員の数人から伺った話では、最近では認知症に関する相談が多くなってきたとのこと。だからこそ、認知症に関するいろいろなことを学びたいということを話されていました。
 講演終了後、参加者からは次のようなコメントをいただきました。
・認知症について、認知症があらたになりました。
・実際の対応について、わからなかったことがスッキリしました。
・感動しました。特に最後の写真とナレーションがよかったです。
・今までは、病気の理解ばかり行ってきたような気がします。
・福祉相談員のみならず、民生委員全員で学べてよかったなと思いました。
・民協(民生委員児童委員協議会)もこのように、合同で研修する機会が持てるとよいと思います。……

 今回の講演では、風船の小道具を駆使して、認知症ケアにかかわる人の姿勢などについても、できるだけわかりやすくお伝えすることに力を注いだつもりでしたが、コメントからその甲斐が伝わってきてうれしく、ほっとしました(このときにご協力いただいた西村さんに感謝です)。
 今回のように、介護支援専門員と民生委員が合同で一つのことを学ぶ機会は、とても貴重だと思います。介護支援専門員(専門職)も民生委員も、地域を構成する点の一つひとつですが、ともに学び、自分たちの生活に必要なことを考えていけることで、ばらばらだった点がやがて互いに支え合う線となっていくからです。
 私は、地域を構成する大切な一人ひとり(点)に働きかけていくことから、本当に必要な「連携」「ネットワーク」創りが始まるものと考えています。
 今回のような、「認知症ケア」を通した働きかけをこれからも続けていきたいと思っています。

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必察認知症ケアのはじまり、はじまりーっ!

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認知症ケアを理解するためなら、風船も使う


コメント


 永島さん、お忙しいのに研修の講義ありがとうございました。
 専門職以外の方も参加ができて、認知症がより身近で自分の問題であると認識した方が多かったようです。また、問題とされる言動がその人の性格かと思ったら、認知症の症状だったということが理解できて、その人を見る目が変わったという方もいました。
 私は現状の課題や現象を言葉にして、人に伝えることが苦手です。なので、機会があれば又講義などお願いします。その前に、ゆっくりと話せる機会が先か(風船ネタは私にも使わせてください)。
 実際に研修を依頼した者より。


投稿者: 西村一志 | 2009年02月08日 13:07

 永島さん、みなさん、こんばんは。

 私も「連携」「ネットワーク」は大変大切だと思っております。私の場合は、まず仕事上の先輩との連携…多少時間がかかっても色々な事を話し合っています。ようやく、仲間という関係に近づいています。
 しかし、問題は専属医者です。権威ばかりをひけらかして、職員が物申せない状況です。このような状況で、入居者の状況も把握してもらえず、過去に大病を見逃してきました。
 そして「ネットワーク」作りは、これからですね。
 私は、この仕事が大好きです。本当に楽しくて仕方がありません。人から求められること、それが一番うれしいです。
 しかしながら、永島さんの言われた言葉の意味もよくわかります。今、「小児救急」を読んでいます。そこでは、本当に素晴らしい御医者さんが、激務のためと病院から売上を上げるよう圧力かけられ、自殺された内容が書かれています。
 介護の世界よりも、こちらの方が大変な問題なのかもしれないと深く考えながら読んでいます。

 話は変わりますが、当施設の夜勤は19人を一人でみることになっており激務ですが、本当にやりがいがあり楽しいです。勤務中は施設内を走り回っていますが、私は永島さんの言葉から、自己管理もするようになりました。結果的には、それも御利用者のためでもあるのかもしれません。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2009年02月09日 01:49

 「西村一志」さんコメント有り難うございます。
 西村さんはじめ、研修会に参加された方々にとって心に残る時間になって私にとっても有り難いことです。今後も、共に考え、いろいろと地域活動をしていきましょうね。


投稿者: 必察ソーシャルワーカー 永島徹 | 2009年02月14日 09:31

 「寺内美枝子」さんコメント有り難うございます。
 ネットワーク、連携を育んでいくというのは、すぐにはできないものですよね。関わり合う時間や内容によって様々な形となって紡ぎ出されます。そして、更にそのネットワークを活かし続けていくことで、新たな関係性が出てくると思います。
 そのためには、自分自身を含めて、得意技を活かしていける関係性をどう築いていけるかということも、大切なことのひとつです。
 今の仲間達を大切にして、その輪を広げていきたいものですね。


投稿者: 必察ソーシャルワーカー 永島徹 | 2009年02月14日 09:39

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
永島徹
(ながしま とおる)
NPO法人「風の詩」副理事長。社会福祉士、ケアマネジャー。大学卒業後、青森県にて精神科ソーシャルワーカーとして精神障害回復者の社会復帰活動に従事した後、郷里である栃木県へ戻り、特別養護老人ホーム併設の在宅介護支援センターに勤務し、地域の中で生じているさまざまな介護上の諸問題についての相談等に応じる傍ら、ケアマネジャーとして介護サービス利用者がより良い生活を過ごしていけるようにと活動。その後、縦割りではなく複合的な地域福祉の拠点を創ろうという計画で、NPO法人「風の詩」を設立、現在に至る。

【永島徹さんの最新刊】
『必察! 認知症ケア 思いを察することからはじまる生活ること支援』
著者:永島徹
定価:¥1,890(税込)
発行:中央法規出版
ご注文はe-booksから
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