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永島徹の「風」の贈り物

「結婚」は……?!

 ある日の「デイホーム風の散歩道」での時事オリエンテーション。テーマは「結婚を漢字一字で表すと?」でした。

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 「結婚生活を振り返ってみて、一言でいうとどうでしょうかね…」
 こんな問いかけに、反応はさまざまです。きみさん(仮名)はすでになくなっているご主人を思い出されているのでしょうか、少しはにかむように笑いながら「それなりに幸せですよ」と一言。
 いつもドライなたけさん(仮名)は、「どうもこうもないよ。昔は周りが決めた人と一緒になったんだよ。しょうがないさ」とさらっと話されます。そんなたけさんに触発されたかのように、「好きも嫌いもないよね。私なんて、結婚するまでお父さん(夫)がどんな顔しているか知らなかったよ」「え~っ。顔も見たことない人と結婚しちゃったの(かなり驚くスタッフ)」
 すると「みんなそうだよね。私だって(夫が)誰だか知らなかったもん」「エ~!! キクさん(仮名)は誰だか知らない人と結婚しちゃたの?!」「みんなそうだよ、ね~」
 話は逞しい女性陣の勢いで、少しばかりテーマとちがう方向に盛り上がっていきました。
 そこでスタッフが、「正三さん(仮名)はどうですか?」と問いかけると…。
 「そうだね~。『夢』かな…」
 「かぁちゃん(妻)は、随分前にいっちゃったからな…」「どんな声してたかな…。もっとしゃべっておけばよかったよな」「(かぁちゃんが)側にいたことが夢みたいだ」
 そう、つぶやくように話してくれた正三さん。一瞬、その場の雰囲気が、先ほどの盛り上がりから変わりました。夢のように薄れていく奥さんの姿。もっとしゃべっていたら、声だけでもおぼえていられただろうに…。正三さんの奥さんへの思いが、周りのみなさんにも確かに響いていたようでした。

 ちなみに、某通信教育の会社が行った 「結婚を漢字一字で表すと…」という調査結果では、20代30代が「幸」、 40代が「忍」がトップだったとのこと。みなさんにとってはどうでしょうか。
 80代で、パートナーが先に亡くなった正三さんにとっての結婚は「夢」。「もっとしゃべっておけばよかったな…」私には、この正三さんの言葉がとても心に響きました。
 生活(いきる)ことは有限無常。現実(時)は夢のように過ぎていきます。自分は今、大切な人の思いをどれだけ聴くことができているだろうか…。結婚してから16年。風の詩の活動をともに始めて6年。アラウンド40の私の妻も、結婚は「忍」だと答えるのだろうか…。
 忙しがらずに、妻の声(思い)をもっとちゃんと聴いていきたいと思いました。

 12月25日 今年のクリスマスは私の40回目の誕生日で、17回目の結婚記念日です。


コメント


クリスマスから一夜明けて、雪の朝

一足遅れの Happy Birthday
ご結婚17年目おめでとうございます。

これからも、ともに生活る日々を大切にね。

銀婚式を迎えたあねさんより


投稿者: あねさん | 2008年12月26日 09:24

 永島さん、ご連絡遅くなり本当にごめんなさい、御誕生日おめでとうございます。そして、17回目の御結婚記念日おめでとうございます。
 私事で大変恐縮ですが、おかげさまで日本福祉大学社会福祉科に通信で学ぶ事になりました。
 永島さんは、素敵な結婚生活を送られているようで羨ましいです。一番大切なことは、現実に実行できるかどうかはではなく、相手をどれだけ思えるかではないでしょうか?
 「思いは必ず届くもの…。」
 ちなみに、私は、現在好きな人がいますが、片思いです。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2009年01月02日 10:02

「あねさん」さま
 いつもブログを見ていただき有り難うございます。十年一昔といますが、過ぎ去ればあっという間ですね。だからこそ、一日一日、一瞬一瞬を大切に過ごしていきたいですね。これからもよろしくお願いします。


投稿者: 必察ソーシャルワーカー永島徹 | 2009年01月03日 20:16

「寺内美枝子」さま
 目指す方向を見ながら、足下も見ていく。そしてまた目指す方向を見ていくという繰り返し。そうしながら、一歩一歩と寺内さんのできることをこれからも、積み上げていってくださいね。
 もちろん、時には一休みも大切ですよ。人間、疲れるときもありますからね。


投稿者: 必察ソーシャルワーカー永島徹 | 2009年01月03日 20:21

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
永島徹
(ながしま とおる)
NPO法人「風の詩」副理事長。社会福祉士、ケアマネジャー。大学卒業後、青森県にて精神科ソーシャルワーカーとして精神障害回復者の社会復帰活動に従事した後、郷里である栃木県へ戻り、特別養護老人ホーム併設の在宅介護支援センターに勤務し、地域の中で生じているさまざまな介護上の諸問題についての相談等に応じる傍ら、ケアマネジャーとして介護サービス利用者がより良い生活を過ごしていけるようにと活動。その後、縦割りではなく複合的な地域福祉の拠点を創ろうという計画で、NPO法人「風の詩」を設立、現在に至る。

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