近未来の福祉現場を支える担い手たち
介護現場の人手不足と世間ではいろいろと騒がれている昨今。新しい施設などでは専門職が集まらないため、施設の機能が100%稼働できず、やむなく可能な範囲で事業を始めている施設があるくらいです。一時、福祉業界に人が流れてきた数年前とは打って変わってしまったこの頃、果たして福祉業界を目指そうとしている若者はどうなのか? そんな疑問をもちつつ、今週、地元の県立高校福祉科で認知症サポーター養成講座にかかわる機会がありました。
栃木県内には福祉科のある高校が3校あり、その一つがこのたびの高校です。教育機関の大学・専門学校などでも年々学生数が減少してくる中で、介護福祉士を目指しているティーンエイジャーたちの認知症ケアに関する思いはどうなのかと期待しつつ、講座に入りました。
この企画では、行政の協力もあり、県と市役所の各担当者、私、キャラバンメイトがコラボした認知症サポーター講座になりました。内容は2部構成で、第1部が認知症の理解や認知症サポーターについて。第2部は学生たちが実習で体験したことを振り返り、認知症についての理解を深め、学生各々ができることについて話し合いました。そこに情報提供として、地域の社会資源情報や同年代が取り組んだ認知症サポーターについて学ぶという企画内容でした。
時間になり教室に集まってきた学生たちは、今時の高校生という雰囲気でした。そしてどことなく無邪気な様子がうかがえます。
そんな様子でしたが、講座が始まり実際に体験した認知症高齢者へのかかわりをグループに分かれて話し合ってみると、とても的確な視点で介護現場の様子をとらえており、望ましいかかわりとそうでない対応について、短時間でしたが活発な意見が交わされました。
特に、実習先の施設職員が行っている認知症高齢者へのかかわりをよく見ていて、実習で訪れた施設の雰囲気がイメージできる「言葉遣い」も話の中で出ていました。
とても熱心に話し合ったことを各グループから発表してもらったところ、「認知症高齢者の方にどうかかわっていったら安心してもらえるのか」ということを、真剣に発表してくれました。なかでも、かかわるときの介護者の態度については、学生のほとんどが、重要だということを認識していました。「真剣に聴く」「優しい眼差しで」「同じことを繰り返し話してくる人のことを『どうしてなのか』考える」等々。この基本的な当たり前な態度です。
しかし、現在の介護現場で働く専門職も常に心がけるようにしているのでしょうが、どうしても仕事に忙殺され、時折言動が煩雑になってしまうことがみられます。けれども、近未来の福祉業界の担い手となる学生たちの志が活かされる福祉現場を育んでいくことは、現役職員である私たちの役割でもあり、今以上にやり甲斐をもてる業として認知されるようにしていきたいと思います。
コメント
私も、高校の介護福祉科を卒業しました。しかし、授業時間数の関係で、今年度の入学した学生が最後で閉鎖となり、残念な気持ちでいます。
高校卒業して8年がたち、グループホームにて管理者をやっていますが、ついつい業務等に追われ、言葉が入居者に添わないものになります。。。
先日、実習生が来た時、きちんとした言葉、応対で逆に学ばさせて頂きました。丁寧を忘れず、一緒に働く仲間にも影響できるようにコツコツと…。ですね★
「みーこ」さんコメントありがとうございます。
高校の福祉科を卒業し、介護現場(GH)で管理者をされているとのこと。「みーこ」さんのその姿は、十代の高校で福祉を学ぶ若者達にとって、とても心強く良い目標になると思います。
これからも、心ある若手専門職が活き活きと働ける介護現場を仲間達と共に育んでいってくださいね。私も心から応援させて頂きます。必察!
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