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永島徹の「風」の贈り物

食欲の秋、学びの秋

 今年も残すところ約2か月となりました。この時期は、全国各地で様々なイベントが行われていると思います。
 紅葉がはじまる地域では、実りの秋ということで、紅葉狩りや各種収穫祭など、食欲をそそるイベントがおこなわれ、年齢を問わず楽しいことでしょう。私も家族とでかけ、その土地の食文化にふれることが楽しみです。
 ただ最近では、仕事と兼ねて参加することが多くなりました。講演会などを企画する際に、他のイベントの中に組み込んで行うような企画の催し物などです。複合的な催しを企画することはとても大変なことでしょうが、風土を活かした企画には土地柄が見られ、その地域で息づく人々の思いが伝わってきます。このような機会は心身ともにリフレッシュすることにもなり、新たな気づきも生まれてくると思います。

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 私たちの仕事は、専門的な技術や知識が必要なことは誰しもが分かっていることです。その専門的なことを有効に活かしていくためには、相手の生活背景を知り、分かっていく試みが必要になってくるでしょう(連察・交察など)。
 その際に、ただ闇雲に相手の状況をうかがうことは気をつけなくてはならないでしょう。ましてや私たちは、生活をサポートする仕事をしており、相手の生活背景を必察していくことが必要です。その一つとして、生活環境があります。ここで気をつけてほしいことは、住環境ばかりを見るのではないことです。相手の生活している地域の様子、そして変化してきた地域の歴史などの情報も、生活のサポートにはとても役に立つことがあります。
 私たちの生活は、ある日突如として生まれたのではなく、長い月日の経過から積み上げられてきた礎に営みがあります。ただ、表面に見える事実だけではなく、そこに至るまでを必察していくことから見えてくる相手の個性(らしさ)があります。そんな必察を身につけるためのトレーニングとしても、今秋の様々なイベントに参加してみるのはどうでしょうか。
 遠い地区のイベントも楽しいでしょう。もちろん、身近な町のイベントにもたくさんの気づきがあるはずです。何気ない中には、きっとありますよ。貴重な気づきと出会いがね。


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プロフィール
永島徹
(ながしま とおる)
NPO法人「風の詩」副理事長。社会福祉士、ケアマネジャー。大学卒業後、青森県にて精神科ソーシャルワーカーとして精神障害回復者の社会復帰活動に従事した後、郷里である栃木県へ戻り、特別養護老人ホーム併設の在宅介護支援センターに勤務し、地域の中で生じているさまざまな介護上の諸問題についての相談等に応じる傍ら、ケアマネジャーとして介護サービス利用者がより良い生活を過ごしていけるようにと活動。その後、縦割りではなく複合的な地域福祉の拠点を創ろうという計画で、NPO法人「風の詩」を設立、現在に至る。

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『必察! 認知症ケア 思いを察することからはじまる生活ること支援』
著者:永島徹
定価:¥1,890(税込)
発行:中央法規出版
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