振り返ることのできる場と時間を大切に
6月17日のブログで、認知症について理解を深めていくために民間企業が取り組んでいる、認知症サポーター養成講座について紹介しました。企業としてどう地域に貢献できるのかを考えていく姿勢は、私たち福祉専門職にも参考になることが多いと思います。
そこで今回は、最近私が福祉専門職向けに講演や講師をさせていただいた福祉専門職研修を紹介したいと思います。
今では珍しくない、認知症のケアなどに関する研修会。福祉専門職として日々行っている仕事も、慣れからくる言動が心ない振る舞いに至ってしまうことがあると思います。だからこそ、適宜な研修が必要になります。
そのような研修に最近呼ばれてうかがったのが、東京都江戸川区のケアマネジャー協会。そして、栃木県の認知症介護研修の実践リーダー研修会でした。
江戸川区ケアマネジャー協会はNPO法人格を取得し、行政からの研修委託として、ケアマネジャーに対する研修を行っています。昨年末にも、私は認知症ケアに関する講話とシンポジウムをさせていただきました。今回も、認知症ケアについての講話でした。
200名を超える参加者に対して話を進めていく中で、会場とやりとりをする場面が多々あります。遠慮がちな参加者の雰囲気もありますが、皆真剣に耳を傾けてくれる様子は、話をする私の声にもつい熱が入ります。
途中、中座する参加者も!? と思いきや、携帯電話で仕事の対応をした後、再び会場に戻ってくるのです。仕事をしながらも、専門職として向上していこうとする姿勢が印象的でした。
研修会風景
主催者の皆さんとともに
栃木県の認知症介護研修の実践リーダーでは、参加者20名という少人数ならではの距離感から親近感が湧き、私も、参加者一人ひとりの表情などを必察しながら、より具体的な事例を交えて話を進めました。間近で触れ合う参加者の面持ちからは、とても熱い視線と思いが伝わってきました。
私としても、この研修で一つでも何かヒントになることや元気の素になる機会になってくれればという思いです。演習をする中でも、鋭い感性を示してくれる参加者からは、「さすがにリーダー研修!」という場面もあり、頼もしい仲間たちでした。
リーダー研修のグループワーク
リスクマネジメントを学ぶ? 楽しく演習
施設も含めた地域において、認知症に関する多様化した生活課題が目につくことのある介護現場。このような時勢の中、より良い制度の追求や施設の整備も急ピッチで進められています。
しかし、いくら良い制度や立派な施設を建てたとしても、それを活用していくのは人です。私たちが専門職として心ある取り組みができてこそ、手段としての制度や施設が活かされてくると思います。
そこで必要なこととして、察する姿勢(必察する)が大切だと私は考えています。人は、お互いに察しあいながら、関係性を維持し、今を生活(いき)ているのです。だからこそ、自分勝手な思い込みの振る舞いは、相手を困らせるばかりか、自分自身にもツケが返ってきます。「こんなはずではなかった」と思った経験のある方もいると思います。
でもそんなときに、少しでもいいから、自身を振り返ってみる機会を設けてみるのはどうでしょうか? 研修という場もその一つで、ひとりで考えるよりも、さまざまな人が集い、普段の仕事場から離れて自身を振り返る時と場が必要だと思うのです。
私も、研修に参加していた皆さんの思いを大切にしながら、これからも時勢の変化に反応できるアンテナを高くし、自身を振り返りながら反省しつつ、日々の活動に励んでいきたいと思います!。
コメント
すてきなメッセージ、ありがとうございます。そうやって、みんなが元気に実践にかかわっていけたら、いいですね。
本日も、西のほうでの養成講座、お疲れ様でした。とてもわかりやすく、参加者のみなさんに伝わっていました。
と風が伝えてくれました。
<認知症に関する多様化した生活課題が目につくことのある介護現場。
<このような時勢の中、より良い制度の追求や施設の整備も急ピッチで進められ<ています。
<しかし、いくら良い制度や立派な施設を建てたとしても、それを活用していくのは人です。
<私たちが専門職として心ある取り組みができてこそ、手段としての制度や施設が活かされてくると思います。
そうですね。思い込まない、きめつけない、あきらめないで、
察する姿勢をもって、現場にかかわる仲間たちがいっしょに、
学びつつ、わくわくしながら、認知症ケアの実践に臨んでいきたいです。
今後とも、よろしくご指導お願いします。
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