「地域発見」から見えてくるコミュニティーワークの方向性
先週は、栃木県の県東地区の包括支援センターや居宅介護支援事業所のケアマネジャー向けに講演をしてきました(主催:栃木県健康福祉センター)。今流行りの地域包括ケアのコミュニティソーシャルーワークについてです。
風の詩の活動をスタートしてから、私は専門職だけでなく一般の方も対象に、認知症ケアを通して、地域を育むことの大切さをお話しさせていただく機会を多くもってきました。最近では専門職を対象に、地域福祉やコミュニティソーシャルネットワークをテーマにした講演の依頼が多くなっています。
講演風景
「目的はどのようなものですか」と担当者に伺うと、「地域のネットワークをつくっていきたい」「もっと連携が必要だと考えているため」といった答えが返ってきます。多くの市町村で、どのようにしたら包括的なかかわりができ、複雑な生活問題を抱えている方々に対してかかわりをもっていけるのかをいろいろと模索しているようです。
どの地域にも共通していえることは、もともとあったであろう地域の「なじみ」という関係が希薄になっていることだと思います。昔の歌にあった「トントントンカラリと隣組♪、障子をあければ顔なじみ……」という「親しみのある雰囲気」が地域の中に見えなくなっているのでしょうか?
演習中のインタビュー
確かに、時代の流れとともに、生活習慣や文化が変わり、価値観も変わってきていると思います。しかし、私たちは宇宙人でもなく、異星人でもありません。この地球、この日本、この町で暮らし、これからも、それぞれの地域の変化に合わせて生活を営んでいくことに変わりはありません。そして、私たち専門職もまた同様に、地域で生活する(いきる)生活者です。
地域のつながりを考えていくときに必要なのは、生活している自分たちの眼から地域を考えていくことでしょう。生活をとらえていく視点は、ソーシャルワークの重要な視点の一つですが、地域で活動するソーシャルワーカーとして、今私に求められているのは、同じように地域で活動する専門職の方々にも、そのようなソーシャルワークの視点をお伝えしていくことなのかなと感じています。
ただ、専門職として地域を何とかしよう、変えよう!なんて考えていても、方向性はなかなか見えてこないでしょう。それより、地域住民の一人として、機会があれば身近な町内や地区の集いに足を運んでみるといいかもしれません。意外と新しい発見があるかもしれませんよ。……という私自身も、なかなか腰が上がりませんが、「面倒だな~」ではなく、「どんな地域発見ができるかな」を楽しみに、住民として地域の集まりに足を運ばないといけないと思っています。
さぁ~て、明日は地区運動会のテント建てです。どんな地域発見ができるでしょうか!。
コメント
永島さんへ 先日の研修の講義ありがとうございました。地域のつながりは大切ですね。
再会できる日を楽しみにしています。
研修会の講師ありがとうございました。永島さんの魅力(軽妙さ、暖かさ、そして地域への思い)が伝わる研修でした。謝々!
今後ともよろしくお願いします。
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