ひとりの「思い」から広がる力(エネルギー)
活き活きと咲く草花の光景を目にすることができる、とても気持ちのよい季節になりました。先日、訪問先の庭先に『マーガレット』が一面咲いている光景を目にしました。
ふと、一人暮らしをされていたAさん(女性)の言葉を思い出しました。
「私ね、朝目覚めると、『今日も生きていたなぁ。それじゃ、今日は何をしていこうか』と毎朝考えて生活しているの。自然の中で生かされていることに感謝して、『誠実』にその1日を生きるようにしているのよ。大変なときもあるけどさ、笑っているほうがいいじゃない(笑)」
Aさんは長い間、後縦靭帯骨化症を患い、時には身の置き場がないくらい、つらい痛みやしびれを伴う生活をされていました。その思いを、仏壇のお位牌の後ろに貼り付けてある紙に「どうか、このつらさを和らげてください」と辿々しい文字で書き、願っていました。
訳あって長き月日にわたり、1人で生活をされてきたAさんの切なる願いです。ですが、普段はそんなことを思わせないひょうきんな口調で、自分なりの「思い」を語ってくれました。そして、包容力と気配りを忘れないAさんの家には、いつも近所の方がお茶飲みに訪れ「よくそんなことまで知っているなぁ」と感心するくらいの近所のご意見番でした。
これは、今まで、地域とのつながりを大切にして『誠実』に生きてこられた結果かもしれません。また、Aさんは草花も大好きで、中でも『マーガレット』を好んでいました。Aさんの部屋から見える小さな庭には、たくさんのマーガレットが、そよ風たちと話をしているようにいつも踊って見え、私にはその姿がAさんと重なって映りました。
『マーガレット』の花言葉には『誠実・真実』という意味があるとわかり、あらためてAさんの『思いある生き方』から、人の強さと優しさを感じました。その『思い』は今も私の中にある、大切なエネルギーの一つになっています。
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