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宗澤忠雄の「福祉の世界に夢うつつ」

いよいよ金環日食!!(3)すべての生命に思いを馳せる

 今回の日食は皆既日食ではありません。太陽の光球のすべてが月に隠れる皆既日食は、ダイヤモンドリングの消えた瞬間から彩層が見え、その後にコロナや紅炎を観察できます。金環日食ではこのような現象の観察はできないとしても、宇宙の壮大なドラマに想いを馳せるのもよし、「私もあんな光り輝く指輪を授かりたいわ」と自分の願いを人知れず託す(笑)のもありでしょう。

もうすぐ太陽に重なる月 2012/5/5 19:30撮影
もうすぐ太陽に重なる月 2012/5/5 19:30撮影

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想像を絶する太陽の世界
 太陽ほど多彩な話題に事欠かない天体はありません。歴史的な話題だけでも世界中にころがっていて、数々の太陽神、日食と太陽崇拝、太陽神話をはじめ、錬金術・占星術も太陽に深く関連しています。
 もちろん、今回の金環日食を機に、恒星としての太陽について科学的に極めてみたい方もおられるでしょう。恒星としての太陽研究には、実に奥深いものがあります。人間の日常生活感覚の想像を絶する世界です。太陽はプラズマ状のガス体で明白な表面を持たない、核融合反応を起こしている太陽中心の温度は1500万K(ケルビン:絶対温度を表わす単位記号)で圧力は2000億atm(アトム:標準大気圧を表わす単位記号)、太陽の中心部で発生した熱源は太陽の中を1000万年も巡りめぐって表面から放出される(現在、地球に降り注いている太陽の光は何と1000万年前に発生したもの!!)などと解説されても、凡百の衆生にはさっぱりピンときませんね(金環日食を契機に恒星としての太陽を親子で考えてみたい方や中学校・高校の天文部の生徒の皆さんたちには、上出洋介著『太陽のきほん』(誠文堂新光社、2008年)をおすすめします)。

 ややこしい話はさておき、とにかく金環日食を眺め、太陽と私たちの暮らしを振り返ることのできるひと時は、とても素敵な記念日になると思いませんか?

生命の源、恵みの星である太陽
 太陽は地球上の生命の源であり、すべての生命に恵みをもたらし続けてきました。二酸化炭素から光合成によって酸素を作り出せるのは太陽のおかげです。青い空、虹、そしてオーロラの美しさを享受できるのも太陽あればこそ。風が吹き、日と雨が降り注ぎ、植物が成長し、あらゆる動物がつながりあって生きているのは、太陽の恵みに由来する自然界の営みです。
 この太陽を、みんなで空を見上げて共有できる時の訪れは、ただそれだけですばらしい。児童養護施設や一時保護所の子どもたちには、ぜひとも見ていただきたいと願っています。
 すべての命に日の光を等しく注ぎ続ける偉大な太陽を前にすると、普段は偉そうにしている人なんか実に「ちっぽけな人間」に見えてきます。逆に、自信を失って縮みがちな人が太陽の光に照らされることによって、自分の尊厳を取りもどすきっかけになることさえあるでしょう。顔を太陽に向けるように花を咲かす向日葵(ひまわり)の花言葉は「あなただけを見つめています」ですから、お日様に顔を向けることは慈しみや愛情のかけがえのなさを噛みしめなおすことにつながるのではないでしょうか。輝く太陽が徐々に月に隠され、金環の光彩を放ち、またもとの姿へと戻っていく-この数時間のドラマに心を揺さぶられ、静かに癒される子どもたちもきっといるに違いありません。
 壮大な宇宙に浮かぶ太陽に照らされて地球と地球上のすべての生命に想いを馳せることは、自然-文化-社会-人間のつながりと尊厳について改めて見つめ直す営みになると思います。
 いよいよ金環日食まで残すところ1週間。我が家では元旦から特製のミッフィー照るてる坊主をまつり、快晴祈願をしています(2012年1月10日ブログ参照)。皆さんも是非!


コメント


太陽は人間にとって何より身近で、欠かせないものだなと感じました。
私は外に出て、太陽の光を浴びるだけで元気になります。

ミッフィーかわいいです♪普通のてるてる坊主よりも効果がありそうですね!
明日は晴れてほしいです!!


投稿者: ここ | 2012年05月20日 06:34

金環日食、自分は早起きして開始から終了まで見届けるつもりです。このような自然現象は、周期的で計算で予想できる部分が大きいですが、人間の力の及ばない、何か大きな力の働きで起こっている、と感じてしまいます。当記事にもありましたが、虹やオーロラから夕日や白夜なども含めて、超越的なロマンがある素晴らしい光景を眺めることで、自分の心に感動がこみ上げて来ることに今回の日食も期待したいと思います。


投稿者: けい | 2012年05月20日 10:54

今回の金環日食は、教育実習先の学校で児童と一緒に見ることができました。児童たちの好奇心を持って見ている姿を見ることができ本当によかったです。さて、先生のブログで太陽を『すべての命に日の光を等しく注ぎ続ける』というように述べられていますが、これは、教師も同様であると思います。教師は、児童によって対応の仕方を変えてはなりません。私もそれで嫌な思いをしました。そのような意味では、太陽と同じですべての児童に等しく接することが理想であると思います。それを意識してこれからも勉学に励みたいと思いました。


投稿者: もきち | 2012年07月02日 12:26

一生に一度みれるかわからないような貴重な金環日食をこの目で見れたことを本当に幸運だと思います。
当たり前になりすぎて忘れていた太陽の偉大さを先生のブログを読み、思い出すことができました。今、地球で私たち生物が生きていられるのも、すべて太陽のおかげであり、私たちはそのことに感謝し日々生きていかねばならないのだと思います。一人でも多くの人が今回の金環日食を見て、心を動かされてること願いたいです。


投稿者: くいな | 2012年07月05日 13:39

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
宗澤忠雄
(むねさわ ただお)
大阪府生まれ。現在、埼玉大学教育学部にて教鞭をとる。さいたま市障害者施策推進協議会会長等を務め、埼玉県内の市町村障害者計画・障害福祉計画の策定・管理等に取り組む。著書に、『医療福祉相談ガイド』(中央法規)、『成人期障害者の虐待または不適切な行為に関する実態調査報告』(やどかり出版)等。青年時代にキリスト教会のオルガン演奏者をつとめたこともある音楽通。特技は、料理。趣味は、ピアノ、写真、登山、バードウォッチング。

【宗澤忠雄さんご執筆の書籍が刊行されました】
タイトル:『障害者虐待 その理解と防止のために』
編著者:宗澤忠雄
定価:¥3,150(税込)
発行:中央法規
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