コスメについてアプローチしたものの
ここ数年、関心を深めながらもアプローチできていない事象があります。それは、この30年間のコスメの変遷についてです。
女性のコスメ-私には伏魔殿のよう
橋本治著『橋』-親密圏の変容と欲望の個人主義
この一年間に読んだ小説の中でもっとも考えさせられたものは、橋本治著『橋』(2010年、文藝春秋)でした。私がこれから論じるのは文芸評論ではなく、あくまでも虐待研究をする立場からの言説であることをお断りしておきます。
本書のストーリーは、2006年にわが国で実際に起きた二つの事件-秋田「彩香ちゃん虐待死事件」(娘を橋の上から突き落として死亡させた事件)と東京「新宿・渋谷バラバラ殺人事件」(外資系投資会社に勤めるDV夫を殺しバラバラにして死体遺棄した事件)-を題材にとりながら、フィクションで構成された長編小説です。
橋-世代間で掛け渡してきたものは果たして希望だったのか?
もし私が「もしドラ」を読んだら
NHKアニメの視聴をきっかけに、岩崎夏海著『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(2009年、ダイヤモンド社)を読みました。なかなか面白い本です。
喪失体験の受容―「根こぎ感」の克服
この連休は、ちょっとした野暮用のために郷里の大阪に帰りました。久方ぶりに故郷の空気を吸い、なじみ深い大阪弁に街の光景、そして何よりも「食いだおれ」の食文化に接すると、ここがまさに自分のルーツであることを全身の皮膚で実感します。恰も鮭が生まれ故郷の河にたどり着いて興奮するかのよう。
大阪に着くな否や、たこ焼きを頬張り、お好み焼きを一枚平らげ、きつねうどんをすすり、夜は大阪名物の「立ち飲み屋」でひっかけます。「外で飲み食いするなら、やっぱり大阪や」と食の美味さと安さに感動し、大阪弁を話す女性のすべてが愛くるしく見えてしまうほどに、ずっとどこかで郷愁の念を日常的に抱えていたのでしょう。つまり、私には普段は自覚しない「根こぎ感」があるといっていいようです。
やっぱり大阪はきつねうどん