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宗澤忠雄の「福祉の世界に夢うつつ」

「プロジェクトⅩ症候群」から脱却しよう

 この間、北九州市立大学の特別講義に行ってきました。この大学の学生さんたちの受講態度は頗る真面目なため、私も毎年の講義に熱が入ります。

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北九州市立大学のキャンパス

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 北九州市立大学は、現在でも学生自治会が成立する数少ない大学の一つで、キャンパスには今や懐かしさを覚える「タテ看」が見受けられます。地方から首都圏の大学に入学し、一方では、消費文化的価値を享楽的に追い求め、他方では、就職戦線をうまく乗り切ろうとする傾向的態度とは異なる誠実さを、この大学の学生は保持しているように感じます。

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タテ看が今でも掲示されている

 この大学では社会福祉士の資格取得希望者がかなり減少しているとのことでした。それは、東京都内にあって、企業就職に展望をもてるような大学にも共通する傾向だと耳にします。

 この点について、少し分け入って学生に事情を聞くと、次のようなことでした。
 一つは、介護保険法や障害者自立支援法にもとづく福祉現場の待遇の劣悪さについて、学生とその親は知り抜いているために、入学当初から福祉の資格取得は考えていない点です。
 仮に、入学してから福祉関係の資格取得を含めて将来を考えてみようという構えのある場合でも、公認会計士や司法修習生でさえ就職難の時代にあって、福祉関係の資格そのものに就職の観点からは魅力がないと受け止められています。要するに、あらゆる資格幻想の化けの皮は剥がれているのです。

 もう一つは、企業就職に比べて福祉業界は採用内定の時期が遅いため、当初から福祉現場に就職希望でない限り、学生にとって敷居の高い業界(「待遇が良くないのにお高くとまった業界」)だと映っている点です。企業への就職活動は3年生の段階で本番を迎えるのに対し、福祉の業界は4年生の後半にしか決まらないことが多く、そこまで就職活動を延ばすことには「バスに乗り遅れる」かのような不安を感じるのです。

 これらの実情は、社会福祉の専門性と専門職制度の課題を区別しないまま、専門性を高めていけば「職業的地位が上がる」「職業人として自立できる」かのような幻想を一面でふりまいてきた資格養成と現実とのギャップを明らかにするものです。

 現在の学生たちは、決して就職先を「選り好み」しているのではありません。困難な時代だからこそ「人たるに値する生活」とそれを担保する就職先を切望しているのであり、それは当たり前に保障されるべき人権です。

 ところで、今回の出張先の九州で次のような報道に接しました。それは、佐賀空港では来月5日に大阪便が廃止となり、1日4回の東京便だけになるため、滑走路の延長による国際便の導入を検討するための調査予算を佐賀県議会のある委員会が可決したというものでした。

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立派な北九州空港ビルは閑散としている

 私が毎年赴く北九州空港は、数年前に市域から遠く不便な海上空港に移転し、折からの不況のあおりを受け、名古屋便と那覇便は廃止され、東京便の本数も減らした挙句に、ソウルへの国際便を導入しています。しかし、全国の地方空港が同じような国際線の導入に走ったところで、根本的な問題克服には決してつながらないでしょう。
 地方空港が大同小異の状況にあるのは、空港建設が先にありきのためであり、新幹線や高速道路の整備を踏まえた実需についてまともに検討されてはこなかった証拠のようなものです。

 その上、このような構造的問題の克服に臨むストラテジーの多くは、現場にいる人たちにとって、山田五郎氏のいう「プロジェクトⅩ症候群」のイメージを強いられているのではないでしょうか。つまり「時間や設備や資金に余裕のない、制約だらけのところで、起死回生の成果をあげることが日本の巧みさであり強さである」という、わが国のあらゆる領域に巣食う強迫的で自己犠牲的な文化です。

 このような文化性をあるいは積極的に、あるいは消極的に支持してきた先行世代の対処パターンに対して、現在の若者は本質的に懐疑的になっています。これまでの「プロジェクトⅩ症候群」調の長年の取り組みのなれの果てが今日の日本の姿であるとすれば、現在直面する困難にこれまでと同様の「プロジェクトⅩ症候群」的な対処戦略をたてても、そこから未来が拓けるとは考えられないからです。
 そこで、先行世代の試みと示唆の多くは、現在の若者にとって、いうなら「トム・クルーズのいない“Mission Impossible”」に映ってしまう陥穽があると思えてなりません。

 「人たるに値する暮らし」をすべての人たちが実現できるための世代を越えた文化的刷新の運動が、すべての領域のすべての取り組みに求められていると考えます。ここに老若男女の実効的な知恵を結集できるか否かが、「プロジェクトⅩ症候群」というわが国の「文化的病理」を克服する鍵となります。
 そして、このような取り組みの一環として、生活支援に関する高い専門性をもつ人たちの自律的で自立的な職業生活と暮らしが展望できる専門職制度の確立が進展した度合いに応じて、社会福祉の資格取得希望者は増大することになるしょう。


コメント


はじめまして!
「人たるに値する生活」私もそんな生活がしたいです。GHの職員ですが、半端ない仕事量、従業員を大切にしない風潮。主任・管理者になっても報われず、仕事量と責任だけ増える。ケアマネ受験を強要され、劣悪もいいところでしょう。
新卒で就職しても、がっかりされます。
捨て駒なのだと悟ってからは、希望はありませんが、わりきって仕事してます。会社のためではなく、めんこい入居者様と自分の生活のために。
認知症ケアは奥深く、面白いので大変ですが頑張れます!


投稿者: 餅豚 | 2010年12月22日 21:04

 福祉現場の待遇の劣悪さについて高校生の時、テストか何かの問題集で読んだことがありました。出典は詳しく覚えていませんが、内容は少し覚えています。「介護ボランティアの必要以上の介護が正規の職員の介護の負担を増加させ、無償介護を行うボランティアがいるために、賃金や労働環境が劣悪になる」と言うものでした。
 介護される側が自分でできることもボランティアの方がやってしまうことがあるそうです。介護される側はボランティアの人はやってくれるのに、正規の職員はやってくれないと思うようで、必要以上の介護が正規の職員の印象を悪くし、負担を増加させることがあるそうです。介護ボランティアが良かれと思ってしてあげたことが結局はマイナスの結果につながることがあるということです。
 長期的に介護に携わっていくのは正規の職員の方々で、ボランティアは短期的な活動が多いのもそういった問題が生まれる一因のようです。ボランティア自体は素晴らしいことだと思いますが、使う時と場を選ばなければマイナスにさえ為りかねないものでもあるのかと思います。


投稿者: しんや | 2010年12月28日 16:42

 たいていの人が職業選択をする際にまず考えるのは、その職業が自分に向いているかどうか、そしてそれに見合った待遇であるかどうかだと思います。激務な職業でも人気のある職業はあります。福祉業界の人気が減っているのは、それに見合った待遇でないからだと考えます。

 人生において、仕事の占める割合が大きいのだから、「人たるに値する生活」の一つの要素として、「自分の仕事に誇りを持てること」であると思います。仕事に見合った待遇が明らかに低くても、その仕事に誇りを持っている人はいますが、本来そのような人がいてはならないと思います。福祉業界に限らず、どのような職業でも誇りを持てる社会に少しでも近づけるように、社会全体で考える必要があると考えます。


投稿者: ロロン | 2011年01月02日 16:02

「人たるに値する生活」とは、果たしてどんなものなのでしょうか。
金銭的裕福さだとは思えないです。それに、福祉と言えば、「人間らしい最低限の生活の保証」はされていると思います。
それで送れるものが、これでは無いということはわかります。
となれば、「人たるに値する生活」とは、個人の物差しによる、理想と妥協の合いまった生活なのではないかと思います。
いまの若者は高望みをしているわけではない、しかし社会はもっと妥協を求める。
その中で頑張れという、いや、やれなければ捨てるという非情な病理が先生の言う
「プロジェクトX症候群」だと、わたしは思いました。

福祉業界だけでなく、どの業界にも希望が持てず、ただ安寧を求め、公務員になろうと思っています。
公務員を目指す理由の過半数は、この様な消極的理由なのではないでしょうか。

待遇の劣悪化には、例の症候群の他に、やはり経済が多大なる影響を与えています

人たるに値する生活を送るためには、やはりまずは経済の回復が必要でしょう。
現段階では全く希望が持てませんが。


投稿者: 厳島 | 2011年01月05日 23:39

 正月休みに実家に帰った際に、親や親戚が福祉関係の仕事の現場の待遇・環境の悪さについて話をしていました。
 障害者やご老人を相手に肉体的にも本当に苦労している人よりも、その側で悠々と事務をこなしている役場職員の方が断然多い給料で働いている、だからあえて福祉関係の仕事について苦しい思いをするのもどうか…というような話でした。
 私たちはこれから就職活動を控えている身ですが、このような話をされて福祉関係の仕事にどうしても就きたい、とはとても思えません。
 こんな世の中で、福祉が向上することなんてあるのかな、と疑問に思いました。現場を見て政府などにはもっと考えてもらいたいです。


投稿者: ぷー | 2011年01月13日 12:21

私は今大学生です。福祉の分野で主に心理学の勉強を行っています。大学の実習で認知症に関わる施設などにも行ったりしています。高齢者の方々の生活を保障する施設ですから、仕事は人の命を預かるのも同然です。しかしそれでも給料は安くその仕事だけでは十分に生活していける額ではありません。将来のことを考えると子供も養えないでしょう。また、夜勤などのことも考えると労働環境はあまりよくないでしょう。
福祉関係の仕事に就きたいと思って就職しても、働いているうちに命の重さをかかえるプレッシャーに負けてしまうことになるかもしれません。気持ちよく働くことができるのはごく少数の人間にしかできないでしょう。人を助けるという素晴らしい仕事なのだから、もっといい印象をもつことのできる仕事に変えてほしいと思います。そのためにも労働環境の改正は必要だと思いました。


投稿者: 儚 | 2011年01月14日 21:26

 このブログで取り上げられた、社会福祉士の資格取得希望者の減少、北九州空港の問題。これらの原因は上層部、国のそれぞれの分野の理解が乏しいからなのではないかと思います。

 本当に、国を動かせる機関が社会福祉士の減少を深刻な問題だと思われているなら対応できるはずであるし、空港の件でも委員会がきちんと理解をしていればよりよい予算の使い方を検討できたのではないかと私は思います。

 大事な決定をおこなう権力を持つ者たちは、自らの立場の確保などを無視して、国・国民または市民を考えた決断をしなければいけないと思われます。しかし、私は最近の日本の権力機関がこのような決断を必ずしもおこなっているかといわれれば快く「そうです」と言えません。疑ってしまいます。

 このような疑いをみせない権力機関があれば、その機関の決定によりそれに属する人たちの「人たるに値する暮らし」の実現の一歩となると信じています。


投稿者: ピノ | 2011年01月17日 17:14

たびたび失礼します。椎葉です。

福祉関係の仕事に興味のある私ですが、実際に仕事に就いた知人の話を聞くと、職場環境が良いとは、お世辞にも言えないとのことでした。
福祉の現場で活躍したい、と純粋に考える方のためにも、「人たるに値する暮らし」が出来るよう、環境の整備・改正が行われてほしいと感じます。

もっとも、国の中枢が、この現状を完璧に把握できているのかは疑問ですが…。


投稿者: 椎葉 | 2011年01月17日 20:27

 プロジェクトX的な考え方が肯定されていても、それは決して劣悪な労働環境を提供しながら優秀な成績を要求することを肯定している訳ではないのです。
 プロジェクトXというのはあくまでも神話なのです。実現する事が現実視されていないからこそ絶大な評価を得るのです。現代の若者は懐疑的です。それはもしかしたらプロジェクトXを目指す事の無謀さに気づいたからかもしれません。そうだとしたら、その若者たちはたいぐうが悪いのに、お高くとまった業界には目もくれないでしょう。
 しかし、その状態は良くありません。その状態を正し、文化的病理を正すべきです。それはおそらく難しいですが、プロジェクトXくらいには簡単です。毒を持って毒を制すともいいますし、プロジェクトX症候群を断ち切るには、文化的病理への起死回生の成果を目指すべきでしょう。


投稿者: 虫取り少年 | 2011年01月19日 13:37

 わたしは現在大学生で、福祉の授業を受講していますが、講義で先生の話を聞いているだけでも福祉の現場状況は決して充実したものではないのだとわかります。

 また、わたしのまわりにも福祉関係で働きたいけれども就職はなかなか決まらないし、福祉関係者の方々の話を聞くと「自分がやっていけるのか」と不安だという知り合いがいます。

 わたし自身も、福祉施設で暴力や言葉による虐待があること、そして、虐待をすることを許容しなければ「考えが甘い」と言われてしまうことなどを知って、日本という国は一体どこに向かっているんだという思いでいっぱいになりました。
 社会保障・福祉がきちんとなされ、安心して暮らしていくためには、国から福祉の現場への援助が本当に必要だと思います。とにかく切り捨て、そして問題が起こってから動いているような今の状況ではとても解決は望めませんが、、、


投稿者: けお | 2011年01月20日 11:19

 少子高齢社会の現代で何か人の役に立ちたいという思いから私は社会福祉士を目指しています。
 まだまだ勉強不足で、社会福祉士への待遇がどのくらい悪いのかはわかりません。しかし、疑問に思うのが、命を守る医者や看護師への待遇のように社会福祉士も重視されるべき仕事ではないのかということです。社会福祉士も人の命や生活を守る立派な専門職だと思います。
 児童相談所で働く職員が、仕事の内容に頭を抱えて最終的に自らの体調を崩してしまうという”バーンアウト”が問題になっていますが、やはりこういった福祉現場にはスペシャリストである社会福祉士を中心として運営するべきだと思います。
 ますます促進される高齢社会の中で社会福祉士という職種は必要とされてくるはずです。だからこそもっと注目されるべき職種だと思うのです。
 私が就職する時にどのくらい社会福祉士に対する待遇が改善されているかわかりませんが、少しでも前向きに取り組まれていることを願うばかりです。


投稿者: earth*. | 2011年01月20日 19:37

 親戚の多くが福祉関係の仕事に携わっていますが、想像以上の激務のようです。
 どの施設も人手不足且つ労働環境も整っておらず、かといって収入も良いわけではない。
 よほどの思い入れがない限り、資格を取ってまでやりがいがあるとは言えないと言っていました。

 これからより高齢者が増えていくと思いますが、福祉の環境がここまで劣悪であると、就職希望者が減るのも無理はありません。
 これは福祉の枠だけにおさまらないと思います。
今現在の日本の経済状況、労働環境が改善されない限り、就職やこれからの人生において不安をぬぐい去ることはできないでしょう。

 「人たるに値する暮らし」は、すべての人たちに実現されるべき安定した生活だと考えます。
 それすらおろそかにされている今、「プロジェクトX」のような美談がいつまでも通用するはずがないでしょう。
 「文化的病理」を克服することは簡単だと思います。それに気付ければの話ですが。


投稿者: ハミングバード | 2011年01月20日 20:17

 私は、福祉関係の職に就いている母と姉の影響もあり、福祉の世界に興味があります。福祉について学べる大学を選んで勉強はしていますが、将来その職に就けるとは残念ながら思っていません。というか、思えません。それは先生がおっしゃるように、現在の福祉関係の仕事の雇用問題や労働環境の状態をある程度知っているからです。
 せっかく大学に入ったのだから、自分の興味があることについて学ぼうと思って勉強はしていますが、就職するために勉強しているというふうには思えないのです。「好きだから」というだけではやはり生きていけませんし、結局将来自分がどの職業に就くのか想像がつきません。
 それでもまだ、福祉関係の仕事への憧れは消えていません。早く、安心して福祉の仕事に就職することを目指せるような世の中になってほしいと思います。


投稿者: いちご大福 | 2011年01月20日 20:44

私は福祉関係の資格に興味がありましたが、福祉現場の待遇が悪いことや、福祉関係の資格を取得しても、就職は困難であることを知り、それなら資格取得にチャレンジするのは止めようかと考えるようになりました。
現代は就職氷河期といわれ、ただでさえ就職が困難であるのに、福祉現場の待遇の悪さや就職の困難さを知ってしまうと、いくら福祉関係の仕事がしたいと思っている人でも、ためらってしまうと思います。このままでは、福祉業界の人気は下がっていき、状況は悪くなる一方ではないでしょうか。
福祉問題は、現代の日本において深刻な問題になっているにもかかわらず、政府は画期的な解決策を打ち出そうとはしていません。まずは、その仕事に見合った待遇、労働環境の整備といったところから始め、福祉関係の仕事を魅力的にすることが第一だと思いました。


投稿者: myu | 2011年01月20日 21:38

 私も大学に入るまで、あるいは入った当初までは、福祉の現場で仕事をすることを考えていました。
 しかし、実際に大学で福祉の講義を受講し、福祉の現場の状況を知れば知るほど働くことに対する不安ばかりが積もってしまい、今は全くといっていいほど福祉関係の職につく気はありません。
 高齢者が増加していくこの日本において、福祉の現場で働く人の必要性も、その仕事内容の偉大さも理解はしています。
 しかし、大学を卒業した後の自分の生活のことを考えると、私はしり込みしてしまうのです。
 「人たるに値する生活」をきっと誰もが求め、また、その生活を安全に遅れる仕事を選びます。その証拠とも言えるべきものが、公務員を希望する人々の増加ではないでしょうか。
 福祉の向上を目指すのであれば、福祉を必要とする人はもちろんですが、福祉の現場で働く人のことも考えられた、政策が行われるべきであると思います。


投稿者: クラ | 2011年01月21日 00:54

 私は大学4年生ですが、現在まだ就職活動中です。先生の言われている「バスに乗り遅れる」かのような不安を感じている一人です
 就職活動を始めた当初は様々な業界を見ることが目的だったため、悪く言えば「手当たり次第」に履歴書を企業に送っていました。
数々の失敗を重ね、自身の仕事を決める難しさと、企業側の求めている人材のレベルの高さを身に染みて感じています。
 現在は大学で福祉関係の講義を受講しているのもあり、福祉分野に興味を持っています。しかし、福祉現場などでのお話を伺うと、躊躇してしまう自分がいるのも確かです。
 「人たるに値する生活」とはどのようなものか。しっかり考え、自分で納得のいく結果を出せるよう頑張りたいと思います。


投稿者: Times | 2011年01月21日 13:02

 私は社会福祉士の免許を取得したいと考え、北九州私立大学に入学しました。
 しかし大学に入学し、実際に社会福祉士免許取得に向けての勉強を始めた今、思っていたものと大きく異なる現実を知り、取得するか迷っています。それは私だけでなく、共に勉強している仲間も同じようです。
 先生もおっしゃっている通り、福祉関係の職に就くとなると周りより就職が決まる時期がだいぶ遅れてしまうという不安もあります。また、福祉職は労働のわりに待遇が悪い、というのも不安要素の1つです。
 福祉や介護の手が足りないと言われている今、このままでいいものか、と疑問に思っていました。福祉職に就きたい、と思っていても上に述べたように就職時期の問題や、待遇の問題が存在しているのが現状です。
 高齢化社会が大きく進んでいる今、早急に解決されなければならない問題だと考えます。


投稿者: みに | 2011年01月21日 13:17

 僕は特に社会福祉関係の仕事についての知識があるわけではありませんが、公認会計士など一般的な企業でいかにも優遇されそうな資格の取得でさえ現在の就職活動においてさほど役に立たないという状況の中で、さらに福祉関係の仕事の環境を聞いてしまえば、学生としてはなかなか社会福祉士の資格取得を目指すようにはならないのでは、と思います。

 今後も今のような劣悪な環境が続くことも十分にありえます。それを考えると、福祉の道を選ぶ学生というのは、徐々に減っていってしまう、最悪ほぼ0に近い数字になっていくこともありえると思います。
 国が動かなければ劣悪な環境が改善されることはありません。今動かなければ、福祉に携わる人は減る一方です。これは誰もが目に見えていることだろ思います。

 国が動き、この環境が早急に改善されることを願います。


投稿者: えぬ | 2011年01月21日 15:56

 私にも高齢の祖父がいるので、介護の話題はなかなか身近な事になっています。
 しかし、最近の介護士の労働環境について、テレビ等での特集を見ていると、かなり酷いものと思えました。(作りこみ、という点で簡単に鵜呑みにしてはいけないとも思いますが)

 介護士は、これからの高齢化社会において、需要が更に高まっていくことは確かだと思います。
 必要とされるのに、誰もやりたがらない。このような事はどこにでも存在すると思います。介護は今の若い世代の役目なので、私たちが考えていく必要があると思いました。


投稿者: 麦チョコ | 2011年01月22日 14:29

 福祉の仕事の話はニュースや掲示板などでよく目にします。仕事の割に給料が少ないなどの不満はよく聞きますし、被介護者に気を配っているせいか精神衛生的にもあまりよくないようにも感じます。これでは、今後の高齢化社会への対応どころか維持すら困難になるのではないかとも思うほどです。
 これから福祉関係の仕事の需要が高まることは明らかでしょう。今でさえ人手不足な状況なのに、今現在のような条件下では人が集まらないのはわかりきっていることだと思っているのですが、改善が見られないのは企業から見ればそうなのでは無いのかもしれません。
 これからというものを考えるならば少なくとも今より良好な条件に改善されるべきだと思います。


投稿者: 一条 | 2011年01月22日 20:53

 初めてのコメントです。

 親戚が福祉関係の仕事をしているのですが、仕事はとても大変で、連日の夜勤、低賃金、人手不足でどんどん増える仕事量にいつまで耐えられるかと言っていました。

 今の日本の経済状況を考えると、安定していて環境の整った職場で働きたいと考える人が多くなるのは当然だと思います。
 高齢化社会をむかえ、福祉の現場で働く人は求められているのに、このままでは減る一方だと思います。
 福祉関係の職場がより魅力ある職場となるためにも法律の整備は急務だと思います。


投稿者: げんまい | 2011年01月23日 13:11

 介護保険法や障害者自立支援法にもとづく福祉現場の待遇の劣悪、企業就職に比べて福祉業界は採用内定の時期が遅いというのは大きな問題だと思います。
 少子高齢化社会と言われている中で、介護福祉士は必要不可欠な存在といえるのにこのような体制では一向によくならない気がします。
 日本の福祉に対するあり方をもう一度確認するべきだと思いました。


投稿者: お塩 | 2011年01月25日 14:23

 こんにちは。
 北九州市立大学は非常に自然が多くてマイナスイオンが豊富そうです。
 私は福祉の業界は就職内定がおそいということを初めて知りました。教員採用試験に合格するのと同じくらいの時期ではないでしょうか。最近は一般企業への就活に失敗してしまったから、しょうがなく教員採用試験を受けるという話をよく耳にします。これは福祉の世界も同じようなことがいえるのではないでしょうか。つまり、良い人材の確保が難しいということです。これも一つ、福祉の世界があまり人気のない一因になっているのかも知れません。


投稿者: cil | 2011年01月26日 10:25

 福祉関係の仕事に就いている人が自分の親戚にいるのですが、やはり仕事は大変だそうです。やりがいはあるそうですがやりがいだけでこの仕事を続けていくのは骨が折れるとも言っていました。
 また、地元に福祉大学があるのですが、実際は福祉大学という名の誰もが入れるような大学です。福祉を真面目に勉強したくて入学した人もいますが、そうでない人が圧倒的に多い気がします。
 福祉に携わるひとを育てる大学がそんな状態だと、これから先に影響を与えていくのは目に見えているのではないでしょうか。なんだかとてもやるせない気持ちになります。


投稿者: Q.E.D | 2011年01月26日 12:26

 姉が介護職なので様々な話を聞くのですが、とても厳しい環境だといっています。
 そこで介護職は必要な職業なのでもっと改善できることが多いと思うので、多くの大学生などに興味がわくようにしてほしいです。


投稿者: べじ | 2011年01月26日 12:35

 看護師や医師の人員不足が長い間、問題として取り上げられているが解決への前進を肌に感じることはあまりない。時たま、行政は現状を「どうにかなっている」と判断しているため何の行動を起こさないのではないかと勘ぐってしまう。
 無駄を切り詰めて、システムの動作をスリムにすることはとても大切だ。しかし、「無駄」と判断される最低限の基準を選定するときに、わざわざ状況を綱渡りに設定することもないだろう。福祉における最低限が「死ななければよい」、「社会システムがどうにか破綻しなければよい」では話にならないだろう。
 「人に値する生活」としての最低限とはいったいどれほどのものなのか。少なくとも現状として最低限未満を過ごす人々は多いはずだ。理不尽な「ガンバレ」を強いるのではなく、支援する側とされる側の両方が納得できる支援が行えるよう社会の一員としての努力が必要だと私は考える。


投稿者: ジミーシン | 2011年01月28日 06:37

 わたしは、人の役に立つ仕事に就きたいと思い就職活動をしています。
 しかし、最前線で人につくせる職業ではあるけれど、介護や福祉のお仕事に就きたいとは思いません。仕事の内容はとても魅力的に思えます。人を笑顔にできる職業だからです。けれど先が見えません。5年後、10年後まで、福祉の世界で働いている自信がないからです。ワークライフバランスや、収入、福利厚生を考えた時、あまり魅力的に思えないのです。こんな時代だからこそ、先の見えない安易な選択はできないのです。このようにして選択肢が減るのはとても残念です。


投稿者: ありんこ | 2011年01月28日 14:12

 私も福祉関係の職に就こうとしている友人がいるので、ある程度のことは聞いています。
 いま、福祉関係の人材は不足していると聞いています。やはり、福祉関係の人材を増やすためにはその職における社会保証を十分にする必要があると思います。きちんとしたセーフティネットやワークライフバランスを保証する必要があると思います。


投稿者: もこたん | 2011年02月01日 13:56

 テレビや講義などで老人ホームなどの福祉施設の話を耳にするとその苛酷な労働環境に驚きました。労働量のわりに給料が少ない、夜も昼も働かねばならない、認知症などの入居者のありのままの生を見せ付けられ、ずっと戦っていかねばならない、など到底希望の見えないような業界だと思います。
 また、耐えかねた職員が虐待をし、それはきちんとしつけるためだからといって、黙認されることに疑問を抱きました。
 もっと職員の待遇がよくなれば虐待も起こらないし、そのために福祉業界の最低賃金を高めに設定するなどして、政府が対策を練るといいのではないかと思いました。
 今の時代、就活の際に福利厚生ばかりを求める学生は採用しない、などと言う企業がいるが、逆になぜ福利厚生を求めてはいけないのだろうかと思います。会社に入ってから、休みもなく働き、ろくな給料ももらえず、育児休暇なども充実していなければ誰もそんな会社に入りたいと思いません。
 確かに、福利厚生のみを要求することは会社に貢献する気持ちがまったくないように捉えられるのでよくないと思います。しかし、福利厚生とは自分がその会社に貢献しつつ、どれだけ就職後の人生を充実させるかのバロメーターのようなものだから、福利厚生を求めることは間違っていないと思います。むしろ、それを批判することがおかしいのだと思います。ここに日本の自己犠牲を美徳とする文化的病理が現れていると思います。
 働いていれば自分の待遇をよくしたいと思うのが当然です。
より多くの人の労働環境が改善されるためには経済が復活することも大事だが、政府の行き当たりばったりの、国民のご機嫌取りのような政策に意味がないということを自覚して、もっと社会のためになるような有効性のある政策を行うべきなのではないかと思いました。


投稿者: nao | 2011年02月01日 18:58

 福祉に関する仕事は、その仕事が好きな方にとってはとても楽しい仕事だと思います。たとえば障がいのある方とかかわり、障がいのある方にとって居心地の良い環境を考えたり工夫したりする仕事など。また、好きならば自ずと専門性も身に付いてくるものだと思います。
 
 しかしながら自身がその仕事に向いている分かっていても、収入面から職業として選択できない、というのは残念です。また、財源が少ないために、人員削減となり、1人1人にかかる負担が大きくなっている事実もあります。しかし、このままでは、その連鎖が続いていくだけだと思います。また、この現状は介護者にとっても悪い影響しか与えないのではないかと思います。
 
 政府は福祉面に対して正しい目をむけるべきだと考えます。


投稿者: ponpo | 2011年02月01日 21:33

 日本人は「プロジェクトX症候群」のイメージを強いられていると発言なさっていましたが、私も確かにそうであるなと思うのと同時に、日本人はTVからの情報をそれがすべて真実であると信じている節があると思いました。
 私もその一人で、福祉=きつい、ストレスがたまる、割に合わないetcという負のイメージを自然と刷り込まれてきました。
 なので、ブログの最後に書いてあるように、生活支援に関する高い専門性をもつ人たちの自律的で自立的な職業生活と暮らしが展望できる専門職制度の確立がもっと進展してしてもらいたいなと思いました。


投稿者: アサキム | 2011年02月02日 00:08

 現在の日本の空港は、首都圏の空港が容量を増やせないで、アジアのハブ空港の地位を脅かされる一方で、地方は過剰な容量を使いこなせず赤字体質に陥っているという状況にあると思います。 その原因には自分も新幹線や高速道路を考慮せず実需をまともに検討しなかったことがあると思います。
 世界やアジアの中で日本の空港の存在感が消えてきてしまっているので、この空港の問題は早く解決するべきだと思います。


投稿者: ゴンザレス | 2011年02月02日 02:36

 福祉関係の職に就く人は待遇の悪さから減少し、不足している。ただ一方では、大学の新卒生の内定率は過去最悪で就職難が激化している。私は常々この矛盾した状況を打破できないものかと思っています。
 今の日本は、少子高齢化がどんどん進み福祉現場はますます人材が不足してしまいます。この矛盾をうまく解決することが必要なのではないでしょうか。


投稿者: まめこ | 2011年02月02日 10:02

 プロジェクトXは時々見ておりました。苦境に立ち向かう人たちに感動を覚え、テーマ曲である「地上の星」が更にその感動を大きくし、自分だって「やればできる!」なんて思い、疲弊した体と精神に鞭打って現場で働いていましたが、単なる幻想を抱かせられていたんですね。あやうく、病理に陥るところでした。ありがとうございます。
 でも、第二次ベビーブームに生を受けた私には、この病理には郷愁を感じますね。父母の世代の生き方は、私自身の身にも染み込んでいるでしょう。脱却するには、先生の好きな温泉にでも時には入りながら、自覚的に生きることを地道に積み重ねていくしかないのかな?!自覚的に生きるための第一歩を踏み出すために、今回の内容は大変参考になりました。


投稿者: ゴンドラ | 2011年03月01日 23:58

私は現在大学二年生です。プロジェクトXが好きで良く見ていました。日本独特の根性論的なのに感動していたのですが、先生の記事を読んで考えがすごく変わりました。福祉業界というのは、確かに、敷居が高い感じがしていました。ホントにやる気がないと入れない世界だと思います。でも、確実に今後の日本に必要な業界であり、これから、もっと業界に学生が入りやすいように、工夫がされることを願っています。


投稿者: ダルビッシュさえこ | 2012年01月24日 11:54

プロジェクトXは大学の講義でも度々紹介され職人の懸命な努力や発想に感動し自分もこうなりたいと思っていました。しかし、現代社会はプロジェクトXのような自己犠牲を脅迫的に強いる風潮があること、またこれが労働者に過度なストレスを与え過労死や自殺を招く一端を担ってしまっているのではないかと考えます。
プロジェクトⅩ症候群を脱却する第一歩は、「できないことはできない」といえる環境作りなのではないかと思います。


投稿者: どてを | 2013年01月20日 12:24

 福祉現場の待遇の劣悪さについては,最近新聞で読んだことがありました。巨大な潜在需要がありながら,介護保険など制度に縛られた面が大きく低賃金労働が一般化しているといったものでした。就職活動を控えた公務員志望の大学二年生の私ですが,就職活動に関する準備を未だに殆どしていないといった状態に等しく,資格幻想の化けの皮は剥がれているという言葉は考えるものがありました。公務員試験の時期も通常の企業と比較すると遅めなので,将来のビジョンを明確にして準備に取り掛かる必要があると思いました。


投稿者: どそく | 2014年01月15日 21:29

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プロフィール
宗澤忠雄
(むねさわ ただお)
大阪府生まれ。現在、埼玉大学教育学部にて教鞭をとる。さいたま市障害者施策推進協議会会長等を務め、埼玉県内の市町村障害者計画・障害福祉計画の策定・管理等に取り組む。著書に、『医療福祉相談ガイド』(中央法規)、『成人期障害者の虐待または不適切な行為に関する実態調査報告』(やどかり出版)等。青年時代にキリスト教会のオルガン演奏者をつとめたこともある音楽通。特技は、料理。趣味は、ピアノ、写真、登山、バードウォッチング。

【宗澤忠雄さんご執筆の書籍が刊行されました】
タイトル:『障害者虐待 その理解と防止のために』
編著者:宗澤忠雄
定価:¥3,150(税込)
発行:中央法規
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障害者虐待 その理解と防止のために
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