“伯耆富士”-大山周辺のグループホームを訪ねて (1)
この3月中旬、鳥取県西部の米子市から西伯郡に所在するグループホーム・ケアホームの視察に赴きました。この地域のシンボルは、何といっても「伯耆(ほうき)富士」こと大山(だいせん)です。この雄大な姿はどこのホームからも眺めることができます。
現在、片目が不自由なこともあって、首都圏の雑踏にいるだけでイライラしがちな私ですが、米子に着いてからは、この大山の姿を見るだけで心和むような空気に包まれました。
年度末のご多用な中、視察へのご協力を下さいました鳥取県厚生事業団の皆さまには深くお礼申し上げます。
写真1 「伯耆富士」大山-グループホーム・レインボウから
今回視察させていただいたところは、知的障がい者更生施設(入所60名、通所10名)「西部やまと園」を統括施設とする共同生活援助・介護事業ふるさとホームの一群です。この事業は、7か所のホームを共同生活援助と共同生活介護の一体型で運営されているもので、利用者は26名(うち40代以上が20名と高齢化しています)、職員配置は管理者1名、サービス管理責任者1名、世話人14名(このうち生活支援員兼務12名、各ホーム2名を配置)となっています。
社会福祉事業団方式から出発した鳥取県厚生事業団がグループホーム・ケアホームを県内全域で展開しているのは、全国的にはとても珍しいです。そのほとんどは、支援費支給制度以降、地域生活ベースの支援を重要視するようになって新設してきたホームです。
複数ホームの一体型運営は、今年度に視察した各地のグループホーム・ケアホームでみられましたが、ホームごとの利用者のマッチング、緊急時対応を含む柔軟な支援体制の確保、ホームごとに支援者が孤立しないための管理運営と研修の必要等から、ここでも大切な取り組みであることを確認することができました。
写真2 ヒアリングにご協力戴いた皆さん-(上段右から)西部やまと園青砥綾生園長、鳥取県厚生事業団斎木尚也主幹、西部やまと園米沢敬三次長、下段右から世話人の平林恵子さん、同内藤いく子さん
ヒアリングをさせていただいた第一の感想は、気持ちのいいほど話が弾むことです。決して冗漫なおしゃべりではなく、日頃の取り組みについてのリアリズムがひしひしと伝わってくるのです。
グループホーム・ケアホームの成否は、ゆったりとした居住条件と「いい世話人」の確保だとよくいわれます。それでは、「いい世話人」とは何か? 私はこの質問を、率直に投げかけてみました。
(次号に続く)
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