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宗澤忠雄の「福祉の世界に夢うつつ」 2010年03月

大山周辺のグループホームを訪ねて(2)

 大山は米子市付近の北側から見るとまさに“伯耆富士”の姿をしていますが、東寄りから眺めると荒々しい断崖絶壁からなる北壁を見せます。
 これと同じように、地域にも多彩な顔があるでしょう。住民同士が支え合う一面があるかと思えば、地域開発や経済的な利害対立で揉め事が生じることもあるでしょうし、偏見や特別視を介して人権の軽視または侵害が起きることもあるでしょう。
 このような現実をくぐりながら「地域でともに暮らす」ことを支援する担い手が、グループホームやケアホームの「世話人」です。

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写真1 大山北壁



“伯耆富士”-大山周辺のグループホームを訪ねて (1)

 この3月中旬、鳥取県西部の米子市から西伯郡に所在するグループホーム・ケアホームの視察に赴きました。この地域のシンボルは、何といっても「伯耆(ほうき)富士」こと大山(だいせん)です。この雄大な姿はどこのホームからも眺めることができます。
 現在、片目が不自由なこともあって、首都圏の雑踏にいるだけでイライラしがちな私ですが、米子に着いてからは、この大山の姿を見るだけで心和むような空気に包まれました。
 年度末のご多用な中、視察へのご協力を下さいました鳥取県厚生事業団の皆さまには深くお礼申し上げます。

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写真1 「伯耆富士」大山-グループホーム・レインボウから



ワンストップ・サービスでワークフェア?

 昨今、「ワンストップ・サービス」が盛んに取り上げられるようになりました。さまざまな支援の入口にあたる相談サービスは、確かにワンストップであることが基本です。生活上の困難は複数の問題が錯綜していることが一般的ですから、行政機構の縦割りやサービス提供者側の都合によって、たらい回しにされたり、複数の機関に足を運ばなければならない不都合を避ける仕組みが必要な配慮の一つと言うことができます。
 しかし、最近のワンストップ・サービスは、ワークフェア志向の政策であることは明白なように思えます。



『網膜色素変性症ってなに?』を読んでいたら

 さいたま市の「ノーマライゼーション条例」づくりにかかわる条例制定検討専門委員会の中に、「網膜色素変性症」によって中途失明された嶋垣謹哉さん(公募委員)がおられます。この疾患は、眼の難病といわれてきたものです。
 嶋垣さんは同じ疾患・障害のある人たちとともに2008年8月、NPO法人網膜変性研究基金(愛称:もうまく基金)を立ち上げ、このたびこの疾患・障害に関する啓発パンフレットを完成されました。

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写真1 「網膜色素変性症」の啓発パンフレット・表紙

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写真2 同・目次と最初のページ



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プロフィール
宗澤忠雄
(むねさわ ただお)
大阪府生まれ。現在、埼玉大学教育学部にて教鞭をとる。さいたま市障害者施策推進協議会会長等を務め、埼玉県内の市町村障害者計画・障害福祉計画の策定・管理等に取り組む。著書に、『医療福祉相談ガイド』(中央法規)、『成人期障害者の虐待または不適切な行為に関する実態調査報告』(やどかり出版)等。青年時代にキリスト教会のオルガン演奏者をつとめたこともある音楽通。特技は、料理。趣味は、ピアノ、写真、登山、バードウォッチング。

【宗澤忠雄さんご執筆の書籍が刊行されました】
タイトル:『障害者虐待 その理解と防止のために』
編著者:宗澤忠雄
定価:¥3,150(税込)
発行:中央法規
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