スズメとともに暮そう-社会開発とノーマライゼーション その1
わが国ではスズメが激減しています。
本年5月に発表された、立教大学理学部の三上修先生の「日本におけるスズメの個体数減少の実態」という研究論文によると、1990年当時から現在までの約20年間に、減少率を低く見積もった場合は、50%ほどのスズメの個体数が、減少率を高く見積もった場合には80%もの減少に達することが、それぞれ推測できるそうです(日本鳥学会誌vol.58、No.2、pp.161-170)。次のサイトで読むことができます。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjo/58/2/58_161/_article/-char/ja
スズメの減少原因に関する分析は鳥類研究の専門家に委ねますが、私には、日本人に最もなじみ深いスズメさえ住みにくい地域社会を前に、果たして人間の多様性は保障できるのかという疑問を払拭することができません。
写真1 街のスズメ
写真2 スズメの仲間ホオジロ♂――私はホオジロも減少したように思う
北九州障害者居住サポートセンターを訪ねて
12月のはじめ、北九州障害者居住サポートセンターをお訪ねしました。福岡県北九州市にあるこのセンターは、障害のある人の地域生活に必要な住まい探しと入居支援、その後の居住継続を支援するところです。居住サポート事業の全国における嚆矢にあたるのが北九州市にあるこのセンターで、運営実施マニュアルを作成し全国に向けて情報を発信してきました。
師走のご多用な中、実情視察にご協力を下さいました佐藤みずほ所長をはじめ、同センターの職員の皆様には深くお礼申し上げます。
写真1 北九州居住サポートセンターのスタッフのみなさん-右から所長の佐藤みずほさん、支援職員の中筋さんと藤好さん
写真2 特定非営利活動法人北九州市障害者相談支援事業協会発行『居住サポート事業の運営実施マニュアル』と北九州障害者居住サポートセンター発行『3年目に向けて…』、前者は、次のURLから電子ファイルで入手できます。http://www.shien-c.com/index.html
去りゆく秋とともに悩み深し
師走の時節となると、街の光景も仕事の世界も、何もかもが慌しくなります。四季に彩られる一年単位に稲作を続けてきた日本人にとっては、大晦日か年度末のどちらかで節目を設け、物事に決着をつけたい習性でもあるのでしょうか。行政の予算案が大詰めを迎える時期と重なることも手伝って、無理をしてでも何事をも「仕上げなければならない」というノルマの加重と強迫性の強まりに、私は閉口してしまいます。最近は、正月にも仕事をする羽目に陥っているにも関わらず、このご時勢のせいなのでしょうか、「仕事があるだけましでしょ」なんて言われる始末です。
しかし、今年は特に、去りゆく秋を惜しむような紅葉の色づきを眺めながら、例年になく悩ましい思いを重ねていることがあります。
写真 埼玉大学キャンパスの紅葉