「本物の仕事」であること―メール便宅配事業から
さいたま市の浦和北宅急便センターでは、知的障害のある3名の「メイト」さんたちがメール便配達の作業を行なっています(このうち1名は、一般就労への就職が決まったばかりで、私の見学時は2名でした)。
これは、(財)ヤマト福祉財団の「障がい者のクロネコメール便配達事業」によるものです。小規模作業所の中で行なうメール便配達事業が一般的な実施形態ですが、ここでは施設利用者が宅急便センターに出勤して働くという形で実施されています。2007年4月から始まった、クロネコヤマトと社会福祉法人鴻沼福祉会の新しいコラボレーションの取り組みです。
浦和北宅急便センター
朝、宅急便センターに出勤してきたメイトさんは、まずメール便の仕分けを行ないます。ここでは、ボールペン状のバーコードリーダーとモバイルターミナルが仕事に必要なツールです。現在の物流システムはコンピューターによって集中管理されており、メール便もそれぞれに添付されたバーコードを読み取ることによって、受付・発送・センターへの到着・配達等の状況がリアルタイムで把握される仕組みになっています。
今日の物流システムに必要不可欠な端末での作業は、このような2種類のツールを用いることによって、障害のある人にも遜色なく取り組める仕事となっていました。バーコードリーダーで読み取る一つひとつの作業にも、「メイトさん」としての自信と自負心が感じられます。
メール便の仕分け―バーコードリーダーを使い、モバイルターミナルから情報が入力される
仕分けが終わると、次はメール便の配達です。ここでも、端末入力のツールが使用され、メール便が配達されるたびにバーコードが読み取られて「配達済」となっていきます。しかし、特定の住所に間違いなく配達することは最大の難関のように思えます。
障害のあるメイトさんたちは、あらかじめ配達を受け持つエリアを特定されていて、そのエリア内のお宅や事業所の所在については、一軒一軒をほとんど覚えていらっしゃるような域に達しています。その証拠に、このメイトさんたちの受け持ちエリアのメール便の実績は、浦和北宅急便センター内では配達ミスやクレームのもっとも少なく、現時点ではほぼ皆無といってよい状態にあるそうです。
当初は、表札に出てくる「漢字」を覚える努力も重ねましたが、ローマ字表記のものもあるため、建物の形・色、門構え、表札の色・形状、表札に記された文字の形状等の視覚的な情報からそれぞれの配達先を特定できるようになっている様子でした。
メール便の配達に向かう―雨にも負けず、風にも負けず
メール便の配達―ミスとクレームの少なさはセンターNo.1
この取り組みの責任者である吉田美穂センター長にお話をうかがいました。
宗澤 取り組みの当初、さまざまな戸惑いはありませんでしたか?
吉田 いえ、むしろ逆でした。もともとは幼稚園教諭と保育士の資格が取得できる大学出身で、幼稚園の教諭をしていた経験もあります。学生時代に障害者施設で保育士の実習をしたとき、1個1円の作業をしている現実を知る経験もありましたから、メール便一つあたり22円の仕事が保障できるんだと、意気込んで取り組み始めました。
苦労したかなって思うのは、最初の3か月だけです。エリアの配達を付き添って歩きましたし、住所や表札を間違わないようにするために、数字や漢字の勉強もしてもらいました。でもなかなか進まない場面もあって、これからどうなるかなと心配していたのも束の間、途中からメイトさん自身でどんどんできるようになっていったんですよ。今では配達ミスのもっとも少ない実績のエリアにまでなって、本当に信頼できるメイトさんになりましたから。
配達先の事業所の中には『手渡し』での配達をご希望されるところがあって、そこはきっちりと手渡ししてきます。また、ポストが小さくて入らない大きさのメール便だったら、呼び出しベルを押して直接手渡しすることなどは、教えなくても自分で考えてできるようになりました。
水越SV(左)と吉田美穂センター長(右)。笑顔がすばらしい
しかし、ヤマト福祉財団の取り組みとはいえ、競争の激しい物流・宅配便業界の現場には、常に他社と時間との闘いを余儀なくされる実態がありますから、「上の偉い人」の掲げる理念・目標と現場社員の意識・取り組みの実態にはギャップが生じてしまうのではないでしょうか。このあたりを浦和北宅急便センターの水越SVに率直にうかがってみました。水越さんは、元宅配ドライバーをされていたという経歴もあって、この業界ではいかに効率が求められるかを身にしみて分かっておられる方です。
宗澤 いささか意地悪な質問ですけれども、これだけ大きな企業になると会社の上層部が良いことを言っても、現場の社員の中ではしらけてしまうことも起こりがちではないかと思うのですが。
水越 私もこのセンターに配属されて初めて、障害のある人たちのメール便配達事業の現実を知りました。まず、この人たちの間違いのない仕事ぶりに正直言って驚きました。配達はなにも、晴れの日だけではなくて、雨や風の強い日もあります。雨の日は、メール便を防水フィルムの封筒に入れてからの配達になります。そのような配達条件で、ミスのないクレームのつかない仕事ぶりというのは、私の経験からいっても大変なことです。
障害のある人のメール便への取り組みが、このセンターの中で最も信頼できるセクションに育っているという事実は、会社的にもとても重要な取り組みであることを示しています。そこから、この事業の意義を実感してきたところです。
浦和北宅急便センターは、社内の人事異動の際に、これから幹部になっていく社員の「登竜門」に位置づけられているそうです。水越さんも、SVになって初めての職場がこのセンターだったそうで、メール便の配達事業を手がけられた吉田センター長は、これからの全社的な取り組みの発展に期待を込めて、次のようにおっしゃいました。
「これからいろんな営業所で幹部になっていく人たちが、ここのセンターで障害のある人のメール便配達事業を知って学んで、全国の営業所に広めていってほしいと願っています」
このお二人の笑顔は、メール便の配達に取り組むメイトさんたちの真剣な仕事ぶりと相まって、実に印象的でした。
働く取り組みが軌道にのっているところでは、「本物の仕事」と適切な支援者・理解者のいることが共通に確認できます。ここでいう「本物の仕事」である条件は、プロの使う材料・道具・衣装類、収益が出て十分な賃金を出すことのできる事業であること、職業人としての社会的立場を実感できるような地域社会・人とのつながりにおけるリアリティ等が大切な要素でしょうか。宅急便センターでのメール便配達の取り組みは、まさにこれらがすべて当てはまります。
もし、家庭用のオーブンレンジでも取り組めるからといって、家庭内で使うエプロンを身にまといつつ、クッキーやパウンドケーキを焼いているところがあるとすれば、それは「働く取り組み」にはまだなりえていないと考えるべきでしょう。
「本物の仕事」であることの必要性は、一般就労の職場では当然ですが、就労継続支援事業においてもまったく同様です。「働くことの取り組み」と称して、実際は「数十年にわたる職業リハビリテーションのとりくみ」にとどめているような実態があるとすれば、障害のある人を生涯「半人前扱い」し、施設を「予備校化」することによって自立と成長・発達の機会を狭めているといえるのではないでしょうか。
鴻沼福祉会の「青果物仕分け」―JA物流システムの中で
「豆腐工房一豆」のチャレンジ
鴻沼福祉会は、この「本物の仕事」に向けたチャレンジを始めています。JAとの契約で取り組む「青果物の仕分け」や「豆腐工房一豆(いちづ)」等はいずれも、工賃の増額を含む就労支援の質的向上を目指しています。このような努力の一つひとつが地域に根を張って、実を結んでいくような着実で計画的な取り組みこそ、今日の地域社会と自治体施策に求められています。
コメント
先日はお越しいただきありがとうございました。
メール便事業を始めて2年が経過しようとしていますが、ヤマト運輸さんの協力の下何とかここまで大きなミスを起こすこともなくやってくる事ができました。担当者の方々を初め、他のメールメイトさんのご協力のお陰だと思っています。
メール便に関わる利用者も、この2年間で見違えるようにたくましくなりました。初めての人とは上手に話せなかったメンバーが、今ではわからない事を社員さんに質問する、また配達中でもしっかりと接客できるといった、当初は想像していなかった変化も見られるようになりました。これは、メール便の仕事を通じてメンバーが培った責任感や自信を獲得してきた結果です。単に難しいことができるようになったからとか、大変な仕事をがんばっているからという事ではなく、作業環境やヤマト運輸さんのこの仕事への真摯な姿勢が、メンバーを「本気」にさせているのだと思います。
「本物の仕事」をつくることは生半可なことではありませんが、メール便事業はまさに「本物の仕事」なのだと思います。それは福祉的な言い訳の通じない、厳しさがあるからこそ1通1通の配達に真剣になれるし、メンバーの意気込みにもつながっていくのでしょう。
メール便事業はヤマトさんあっての仕事ですが、鴻沼福祉会としての就労事業はまだまだ課題山積です。今回の取材中にもたくさん頂くことができた先生からのご指摘を、生かしていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
初めてコメントします。さんのと申します。どうぞよろしくお願いいたします。
わたしは今まで、障害者の人たちが仕事をするという状況について考えたことがありませんでした。漫画やドラマでは障害のある人が働いているということを見たことはありましたが、実感したことはなかったです。でも、今自分が住んでいるさいたま市で実際に障害者の方が働いていることをブログを読んでわかり、実感することができました。
正直、障害のある人が仕事をしてもうまくいかずに、その人自身が傷つくだけなのではと思っていました。まさしく、“障害のある人は半人前だ”という意識が私の中にあったのだと思います。
しかし、ヤマト運輸のメール便事業に携わっている障害者の方の仕事ぶりを読んでみると、ミスやクレームの数がセンターの中で一番少ないということにとても驚きました。また、習ったことだけでなく、仕事をしていく上で自ら考えて行動できるようになるということにもびっくりしました。
最近、仕事に対する考え方や取り組み方が中途半端な労働者が増えているような気がします。また、自分で考えようとせず、マニュアルばかりをきにする若者も多くなっているようにも感じます。
比較するのは間違っているのかもしれないけど、このような人たちに比べると、障害者の人の方が仕事に対してとってもまじめに取り組み、ブログの言葉をお借りするとまさに「本物の仕事」をしているように思われます。そのような姿勢はどんどん見習っていく必要があると考えました。
それと、働く意欲のある障害者の方たちを支援するような団体や人たちがもっと増えていけば、障害者の人たちだけでなく支援する方にもいい影響があると思いました。障害のある人に物事を教えるという考えだけでなく、他のことを学ぶという姿勢を持つことが大切なことであるように感じました。
この記事を見て今年就職活動の自分も真剣に考えなければならないと思いました。
障害者の人たちの真剣な仕事への取り組みにはすごいと思いました。私は、クロネコヤマトのバイトをしていたのでミスやクレームの仕事ぶりに驚きました。クロネコヤマトがこのような取り組みしているのは全然知りませんでした。
健常者の人であれば簡単なことなので小さなミスなどが出るかも知れないが、障害者の人であれば一つひとつ真剣に取り組むことでミス自体をなくすんだと感じました。この姿勢は自分も見習わなければいけないと思いました。
今、自分は学生で考え方も未熟で社会のことをほとんど知らないが、来年から社会人になる予定なので一つひとつに真剣に取り組んでいく姿勢を見習い、自分のこれからに役立てていこうと思います。
この浦和北宅急便センターのように障害者の就職を支援する取り組みがなされていることは知っていました。このような障害者就職支援において最もクリアされるべき課題の1つとしてノーマライゼーション、少々大げさな言い方になるかもしれませんが働きやすい環境。健常者となんら代わりのない仕事をこなせる環境づくりがなされることだと思います。
仕事のシステムはもちろん、人間関係においても偏見の残る現在には障害者を一社員として受け入れる体制が整っていないように思うことが時たまあります。
今回の浦和北宅急便センターの職員さんの話にもあるように障害を持つ社員の方は恐らく人一倍の努力をしているのだと思います。
それは決して負と感じるから、というわけではなく自分の内面的かつ実体験的な可能性をも伸ばしたいという強い意志の現われかもしれません。それと比較するならば五体満足心身ともに健康な人はどこかで本気の出し惜しみをしているのかもしれません。
北浦和という身近なところでこんな取り組みが行われているとは知りませんでした。驚きです。
近年、「障害者雇用促進法」が改正され、身体障害や知的障害のあるかたの雇用が企業に義務付けられるようになりました。私はこれを企業の大きな負担となるのではないかと考えていましたが、今回のブログ記事を読んでその考えを改めました。
正直、すぐに仕事を投げ出してしまう今の若い世代の人たちよりも今回と委譲した障害者の方たちのほうがよっぽど努力家で働き者であると思いました。ミスとクレームの少なさがその証拠であると思います。
わたしたちは「障害がある」ときいただけで「半人前」、「できない」、「かわいそう」と考えてしまいますが、それは考えの押しつけであり、障害者の皆さんの可能性を奪っているのだと考え直させられました。
私たちは社会からこの間違った風潮を取り除いていかなければならないと思います。
障害を持っている人たちであっても大変な努力をして仕事を覚えて、しっかりと仕事をこなしているということに大変驚きました。障害があっても努力をして乗り越えるという姿勢を見習い、私も様々なことに対して努力したいと思いました。
身近なところでこのような活動があることを今初めて知りました。また、熱心な仕事ぶりに驚きました。
障害者、健常者関係なくどんな仕事に対しても真摯に取り組むことが大切なのだと思います。私も努力や苦労、手間を惜しまず頑張ろうと思えました。
このような取り組みをしている会社は増えてはいるが、まだまだ障害のあるかたへの配慮は足りないといわれています。そんななか、今回のような件を知れて、なんだかほっとしました。
「障害者」というだけで仕事ができない、迷惑がかかる、といったレッテルが張られているのが実情のなかもっとも真剣に仕事に取り組み、努力する姿はむしろ、わたしたち健常者が見習わなければいけないと感じさせられました。
障害者が働こうとなるとどうしても健常者と同じようにはできない、と考えてしまいますが、一概にそうは言えないということをもっと色んな人が知るべきだと感じました。むしろ健常者より仕事に対して熱心で一生懸命で、ミスも少ないという素晴らしい事実も。障害者の暮らしも楽になると思うので、こういった取り組みが増えて欲しいです。
障害があると聞くと健常者と同じように仕事ができないというという考えが私の中にはありました。しかし、このように熱心に働き、健常者と遜色なく働くことができる環境と意欲に驚きました。障害のある方々もこのような働きに自信を持てるのではないかと感じました。また、私たちがその姿を見て学ぶことも多いと思います。
このような努力が認められ、多くの地域で多くの人がこのような活動を知っていく必要があると感じました。そして、障害のある方々への見方が変わり、自立と成長・発達の機会を広がっていって欲しいと思いました。
配達業というその地域を把握する必要がある仕事の中で障害者の方々が働いていることを初めて知りました。端末による作業は機械を使うことによって障害のあるなしにかかわらず行えるようになっているだけでなく、配達もエリアを特定しているとはいえミスなくこなすことができ、またそのエリアの家を一軒一軒ほとんど暗記していることに驚きました。障害を持たない配達員が配達先を何度も確認したり間違ったりしていることもある中でほとんどミスなく行えることがとてもすごいと思いました。真摯に仕事に取り組めば障害があろうとなかろうと関係がないことを実感しました。
「障害者」=「仕事の邪魔」になる。という考えはかつて存在していたかもしれないが、やはり雇用の場を与えることが大事であると思う。今回の例のように障害を持った方であってもその人ができる仕事が必ずあるはずであるし、いわゆる「健常者」と呼ばれる私たちと何の変わりのない、むしろそれ以上の仕事ぶりを発揮することもありえるはずである。
「今日も仕事♪」と嬉しそうに独り言を言っている人をバスの中で実際に見かけたこともあり、やはり障害を持っているからという理由で排除するのではなくたくさんの「やりがい」を提供することが重要だと考える。本物の仕事というものは「やりがい」から生まれるのではないでしょうか?
このブログを読んで、障害者の方は仕事を完璧にすることができないのではないかと少しでも考えていた自分を恥ずかしく思いました。自分や自分と同じような考えを持った人の先入観を払拭することは大変だと思います。
しかし、大企業とのコラボレーションを果たし、社会貢献している様子を垣間見えるこのような仕事がもっと増えて、社会に障害者の方が働くという状況が当たり前のことであることが証明できれば、雇用はもっと増えると思うし、障害者だから何もできないなどという考えを消す足がかりになるのではないかと思いました。
私もメール便を幾度となく利用してきており、メイトさんと呼ばれる方々が各家庭に配送していることは知っていたが、障害者の方が従事しているということは初耳であった。視覚的情報を扱うことが得意な障害者の方が多いというのは埼玉大学での講義で聴いていたことであったが、事実として彼らの力を生かし、『本物の仕事』を行える場が提供されていることは非常に有意義と言えるだろう。社会と関わりが持てる現場で就労することで、地域の人々と交流を持つこともできる。すなわち、施設内での生活に終始してしまっては得られにくい、地域の人からの理解が深められる良いチャンスが生まれるはずだ。
システムの完成度に関心する一方で、なぜ障害者の方の一般就職が広範に普及していないのか疑問に感じた。福祉施設の中で、彼らの能力に制限をつけて簡単な仕事を提示しているだけでは、企業への就労へは繋がりにくいだろう。企業だけでなく施設が積極的に働きかけ、難易度が高くとも『本物の仕事』に挑戦させることで、彼らの自信と能力を助長していくことが必要だ。
以前テレビで、障害者の雇用についてのニュースを見ました。
内容はうろ覚えなのですが、確か、(恐らく)個人経営の料理店で、皿洗いのアルバイトとして働いている方が登場したと記憶しています。
彼の勤務実態が紹介されていました。彼は勤勉で仕事の質も良く、とても信頼されており、彼無しではまわらないとまで言われるほどだそうです。
この記事を見たとき、真っ先にこのニュースを思い出しました。
ここで私が注目したのは、雇用された人に障害が有るか否かの問題ではなく、働き手が、充実した環境で働いているかどうか、ということです。単なる労力としてではなく、働く人の一人として必要とされる……この様な働き方が出来る人は世の中に一体どれくらいいるのか、このニュースでもう一度考えさせられました。
障害者の雇用といっても、誰しもがニュースの彼のように働くことができているわけではありません。
法律で定められた一定割合の障害者の雇用数を確保する為に、雇うだけ雇って、彼らに仕事を与えない。これは、まさに人を数字としてしか見ていません。
また、健常者の雇用においても、法律違反の労働時間・サービス残業の要求といった、いわゆる社畜と呼ばれる仕事環境も問題になっています。
働く人にとって、仕事が意図的に与えられないのも、反対に過度な量を要求されるのが日常化しているのも、おかしなことです。
仕事が生き甲斐になるのがいいのではなく、仕事に於いて、その人という1人の人間の存在が認められ、受け入れられ、尊厳をもって働くことが出来る環境が整うことが大切だと、私は考えます
障がい者の方にも働く場があるということに、私は大いに賛成です。自分がいままでふれあった障がい者の方々はみな真面目で、言われたことはしっかりと守るし、仕事には熱意を持っているという印象を受けました。障がい者にも意思はあるのだし、私たちと同様にやりがいを感じることをしてこそ生きる意味もあるのではないかと思います。確かに、働く上で少しサポートは必要になるかもしれませんが、私たちがサポートを率先して行っていく姿勢が必要だと思います。
自分の家は、現在は名前が変わっているのか、このさいたま鈴谷センターの配送地域である。そして、メール便の配達を行っているこの女性が自宅にメール便を届けて頂いたことがある。そのときの印象ではへんな人で、この人が配達を行っていて誤配達やクレームといったものは来ないのだろうかと思っていた。しかしこの記事を読み、彼女は知的障害のある人で、メール便の配達に従事している人だと分かった。記事中にポストに入らないものは手渡しすることを思いついたと書いてあった。彼女は通販で買った書籍が届けられたときにインターフォンを押して手渡しで届けてくれた。それはポストに入れる事も出来るが、誰かにとられたりすることも考えて直接手渡しをしてくれたのだろうか。いまこの記事を読んでその気遣いに感動した。あのとき勝手に否定的な印象を抱いてしまい、申し訳なく思う。
最近はメール便が届く事もなくなり、近所でこの女性を見かけないが元気にしていらっしゃるだろうか。
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