「ハガネの女」
昨日、テレビで「ハガネの女」というドラマをみました。
小学校の先生で、ハガネと呼ばれる女性の先生が受け持つクラスで起こるさまざまな事件を軸にストーリーが進んでいきます。
第1回目の昨日は、オーバーステイの問題でした。初めは内容を知らずに見ていたのですが、オーバーステイを取り巻く状況などがわかりやすく描かれていました。
ハガネ先生のクラスにいる外国籍の女の子は、両親がオーバーステイで強制送還されてしまい、本人はあと数カ月間日本に滞在することを許可されているという設定でした。ドラマの中では、その女の子は日本で生まれ、日本語しか話すことができないということでしたが、この子に限ったことでなくよくあることなのだと思います。
両親が強制送還されてしまったあと、日本に住んでいるおばさんと一緒にくらしていたのですが、親がオーバーステイだったということで、ドラマの中では「犯罪者の娘」とクラスの子どもたちからも地域の大人からも白い目で見られていました。
さらに、学校前では大人たちがデモなどをしていて、女の子に「日本から出ていけ」と言っている場面もありました。
このドラマを見ながら、東野圭吾さんの「手紙」という映画を思い出しました。
受刑者の家族も、自分が何もしていないにもかかわらず、「犯罪者の家族」ということで地域の人たちから白い目で見られてしまうことがあります。
監獄人権センターには受刑者の家族からもたくさんの相談が寄せられますが、自分の子どもが罪を犯してしまったことにより、その地域に住んでいられなくなってしまい、引っ越しをするご家族もいます。電話の相談も、時には1時間にもおよぶこともありました。
相談内容は、最初は刑務所にいる家族から頼まれた質問だったりするのですが、そのうちにさまざまな不安や苦労の話になることもあります。私自身は特別な資格を持っているわけではないのでただ聴くことしかできないのですが、みなさん、「周りの人にはこんな話はできない」と言われます。
一人で抱えていたものを話すことによって少しだけでも落ち着くのかもしれません。
ドラマの話に戻りますが、最後、女の子が入管に収容されるということで終わりました。日本語しか話せない女の子が強制送還されることをハガネ先生やまわりの人たちがわりと前向きにとらえていたことに少し違和感を持ちましたが、とはいえ、今の制度では法務省の決定を覆すことは簡単ではないので、このような終わり方にするしかなかったのかもしれません。
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