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秋山映美の「監獄から社会へ」

相談お役立ちツール

 監獄人権センターには毎月200通もの相談の手紙が届き、その内容はさまざまです。
 このブログでも今までいくつか紹介していますが、医療や昼夜間独居処遇、不服申し立てなどは特に多い相談内容です。

 回答をスピーディーにするために、今までさまざまな工夫をしてきました。
 私が働き始めてすぐの頃は、それほど相談の数も多くなかったため、ある程度の定型文章を作っておき、そこに相談内容に合わせて文章を追加したりしていました。
 しかし、年々相談件数が増えてくると、定型文章では回答が間に合わなくなり、次第にさまざまな冊子を作るようになりました。

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 2006年の法律改正以降、まず一番初めに作成したのは不服申し立てマニュアルです。
 2009年5月29日のブログをご参照ください。
 法律改正により、さまざまな不服申し立て制度、査察制度が整えられました。
 受刑者が刑務所の中で何か不利益を受けたり、不許可処分を受けた時にまず活用できるこれらの制度を紹介するために作りました。
 監獄人権センターのウェブサイトにもアップされています。

 また、医療や昼夜間独居処遇については、昨年末に、「被収容者のための医療問題の手引き」や「被収容者のための昼夜間独居問題の手引き」も作成しました。
 刑事被収容者処遇法や関連する法律なども受刑者の生活に関係しているので、これらをまとめて冊子にしています。こちらはまだウェブにはアップしていませんが、必要な場合は事務局あてにご連絡ください(一部有料のものもございます)。

 そのほか、近頃では、メールなどで受刑者の家族や親族からの問い合わせも増えてきたため、ご家族向けにお役立ち情報をウェブサイトで紹介しています。
 さらに、刑事施設での処遇全般について案内されている日弁連発行の「受刑者の皆さんへ」も日弁連のウェブ上で入手できることができます。

 これらの情報、本来は、刑務所もしくは法務省がご本人やご家族に案内するべき内容だとは思いますが、刑務所に六法全書が備え付けてあるわけでもなく、不服申し立ての制度についてもごく簡単に説明した文書しかないため、監獄人権センターで作成し、受刑者などに配布しているのです。

 最近よくある質問で、受刑者の年金や住民票、住民税などの相談があります。
 こちらは、受刑者特有の問題であるものの、ある程度税制や地方自治体の窓口の対応などに詳しくないと回答できないことが多いため、監獄人権センターではこのような相談を扱っている専門家にぜひ、ボランティアとして参加していただきたいと常々思っています。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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