寒い冬、刑務所の中では
2011年01月14日 09:00
8月のブログでは冷房のことについて書きましたが、同様に、北海道などの寒冷地の一部の刑務所を除いては、受刑者の居室等には暖房施設はありません。
※比較的新しい施設では、廊下に冷暖房の設備があり、そこから暖かい空気が居室に入るということはあるようです。
北海道以外でも日本では、北陸や長野の刑務所では寒さはかなり厳しく、みなさん耐えているのではないでしょうか。
受刑者は、メリヤスと呼ばれる暖かい肌着を着ることはできるのですが、私たちが寒い冬にはセーターにコートなどを着ることを考えると、かなり寒いのではないかと思います。
刑務所を出所した元受刑者からいろいろと話を聞いていると、冬はしもやけはもちろん、凍傷のようになる受刑者も結構いるとのことです。
監獄人権センターにも時々、しもやけの相談や「寒さでまいっている」という相談がありますが、それほど多くはありません。
こういった相談がそれほど多くないことについても意見を聞いてみたところ、その出所した方は「寒さよりももっと辛いことが刑務所の中ではあるからだと思う」とおっしゃられていました。「寒さは我慢すれば何とかなるけど、医療、懲罰、昼夜間独居、手紙や面会の制限など本当に耐えられないことを監獄人権センターや外部の人たちに相談するのではないか」とも。
監獄人権センターにも、医療に関する相談と比べると寒さに関する相談はそれほど多くこないため、全国の施設の状況を把握できていません。
もしかしたら、表に出ていないだけで大変な状況になっているところもあるのかもしれません。
今度またこのような相談があったときには少し注意して見ていかなくてはと思いました。
コメント
そういえば、どこで見たか聞いたんだったかな。冬場はお風呂が週二回しかないとか聞きました。何がつらいって、それがつらい、と。
寒い冬に暖かいお風呂でほっとする、というのがほとんどできないということですよね。
夏場でも週三回しか風呂がなかったそうで、それだと汗を流すのにも足りない、とか。激しい工場での働きの後に汗も流せないというのもねえ。
つらい現場なんだなあと思いました。
監獄人権センター、頑張ってください。
まくらしゃさんのおっしゃるとおり、入浴は毎日ではありません。集団生活なので、夏にお風呂に毎日入ることができないのは、とてもつらいですよね。
栃木県の施設では、このところ、マイナス5度の寒さで手も動かず、本も読めない状態だそうです。何処の施設か不明ですが、満期房に入っていた時、外を見ていたら、一週間の内、二回位 遺体を運んでいたので亡くなる方は毎週いる状況である(2012/4/29)との記事があり、涙が止まりません。改善策を打ち出す方は、おられないのでしょうか?
氷点下の中、体調を崩す受刑者は、多くいるのではないでしょうか?
暖房が無いのであれば、厚手の衣類を重ね着する自由を、と人権保護の立場から提案出来ないものなのでしょうか?
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