アベニューQ
先日、アベニューQというミュージカルを見ました。
5月にニューヨークに行った時に見てきたのですが、来日公演があるということなので、もう一度見ようと思い国際フォーラムまで行ってきました。
アベニューQはパペット(人形)と人間のキャストが一緒に舞台の上で演じます。登場人物のうち8人はパペットで、3人は人間です。
大学で学位をとった主人公がアベニューQにあるアパートに引っ越してきて、そこで起こる出来事を軸にストーリーは進みます。
大学を卒業しても仕事が見つからない主人公は、自分の行動の「目的」が何かはっきりわからずに考えています。
そして、気づかないうちに持ってしまっている差別の意識、たとえば人種差別やセクシャルマイノリティに対する偏見などが、皮肉を交えていろいろな登場人物のセリフとして表れています。
そこにアメリカンジョークがふんだんに使われているのですが、ニューヨークで見たときには、私のヒアリング能力では、なかなか意味を理解できませんでした。また、アメリカで話題になった時事ネタや、お決まりのギャグを知らないとみんながなんで笑っているのかわからないのです。
「人の不幸は蜜の味」
アパートを追い出された者に対して、アパートの管理人が言うセリフです。「今自分に降りかかっている不幸は、人に幸せを与えるためのものだ」「人間は、自分より不幸な人を見ると胸がスカッとするものなのだ」と諭すのです。
そしてアパートを追い出された者も「そうだ」と高らかに歌い上げるのです。
ちなみに、アパートの管理人は「アーノルド坊やは人気者」でアーノルドを演じたゲイリー・コールマンという設定です。もちろん本物ではありません。彼の成功から転落までの人生がブラックジョークを交えて語られていました。
こう書くと、問題作みたいですが、ストーリーはなかなか深く、そして全編を通して、大声で笑える作品になっています。
アベニューQは2004年にWICKEDを抑えてトニー賞をとった作品です。
ニューヨークではオフブロードウェイのシアターでまだ上演していますので、機会がありましたら、ぜひご覧ください。
★お知らせ★
監獄人権センターのウェブサイトがリニューアルされました。
http://cpr.jca.apc.org/
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