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秋山映美の「監獄から社会へ」

ヒマラヤを越える子どもたち

 「ヒマラヤを越える子どもたち」という映画を見ました。

 チベットの子どもたちは満足の行く教育を受けることができないため、ダライ・ラマ14世が亡命先のダラムサラで開設している学校で教育を受けるために険しいヒマラヤを越えていきます。20日ほどかけてインドへ向かう子どもたちとその手助けをするチベットの人たちを追ったドキュメンタリー映画です。

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 1949年に中国によって“チベットが解放”され、中国の一部とされてから、チベットの人たちは、中国政府から文化や文字、信仰の自由を奪われ、中国内での少数民族として差別され迫害されています。現在チベット人は約600万人ですが、政府の積極的な移住推進の政策によりチベット人の数を上回る漢民族が移り住み、政策決定の場からチベット人は排除されています。

 チベット人の権利擁護の活動や抑圧的な政策に対する抗議のデモを行ったり、ダライ・ラマを支持する行動を行っただけで、チベット人は中国当局に不当に拘束され、公正な裁判も受けられずに刑務所に収容されることもあります。
 (↑アムネスティ・インターナショナル日本のウェブサイトに報告されています)

 そのため、毎年多くのチベット人がチベットからインドやそのほかの国に亡命をしていて、その数は、延べ13万4,000人にもおよんでいるとのことです。

 映画の中では、小学生くらいの幼い子どもたちが命からがらヒマラヤを越えてダラムサラへと到着するまでが紹介されていますが、現状では、毎年400人もの子どもたちがインドへ亡命していて、中には旅の途中に命を落とす子どももいるとのことです。
 親もこのような危険は承知していますが、子どもたちの将来のためにはインドで教育を受けさせるしかないため、インドへと送り出さざるをえないということが紹介されていました。
 インドには、このように亡命してきたチベットの子どもたちが過ごす場所、学ぶ場所がいくつもあって、ダライ・ラマ14世の妹さんが子どもたちの世話をしているとのことです。

 印象的だったのは、おそらく中学生くらいの男の子で、ダラムサラに亡命して学校で学んでいるのだろうと思われる子が言っていた言葉です。
 「自分たちの国を侵略した中国人に怒りを感じるが、春の雨のようにその怒りは消えていく。同じ人間ということを思い出すと同情を覚えるのです」
 経験や信仰心がこのように赦す心を育んでいるのでしょうか。


コメント


軍隊式行進は人権侵害
http://mainichi.jp/select/today/news/20101208k0000m040074000c.html


投稿者: 佐野 | 2010年12月08日 18:51

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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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