オリーブの木がある限り
先日、アムネスティ・インターナショナルやパレスチナの支援を行っているNGOが主催する「パレスチナ収穫祭」というイベントに行ってきました。
イベントでは「The Iron Wall」という映画と「オリーブの木がある限り」という映画が上映されていました。
地中海沿岸の地域パレスチナには、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地があり、以前は観光地としてにぎわっていて、それぞれの信仰者たちは長い間ともに平和に暮らしていたそうです。
今、この地は、主にイスラエルとパレスチナ自治区となっています。
そして、パレスチナ自治区のうちヨルダン川西岸地区では、イスラエル政府が補助金を出すなどして、積極的にイスラエル人の入植を推進しています。これにより、パレスチナの人びとは水源を奪われて農業に支障をきたしたり、パレスチナ人のコミュニティが分断されてしまうなどということがおこっています。
しかし、イスラエルの人たちが悪い人ばかりなのかというと、決してそのようなことはありません。
イスラエル政府の一方的な報道にしか接していないためにパレスチナ人が憎いと思ってしまう人もいるようです。また、補助金があるから入植したものの、すぐ近くに住むパレスチナ人の生活の様子を知って心を痛めているというイスラエル人もいます。
このような紛争が起こる前、この土地は、人びとがオリーブや果物などを栽培して暮らす豊かな土地だったそうです。
しかし、今、農業で暮らしていたパレスチナの人たちは経済的に困難な状況に置かれています。
映画の中で、パレスチナの人が先祖代々受け継いできたオリーブの木をイスラエル兵がブルドーザーでなぎ倒すシーンがありました。それでもパレスチナの人たちはオリーブを植え続けます。オリーブ農家の人はこう言いました。
「オリーブの木がある限り生きていかれる」
パレスチナでオリーブオイルを作っていることは日本ではまだあまり知られていませんが、いくつかパレスチナ産のオリーブオイルを扱っている会社や団体があります。「パレスチナ収穫祭」では、ちょっとしたことでも協力ができるならばと思い、パレスチナ産のオリーブオイルを買って帰りました。
「私たちが犯した唯一の罪はパレスチナ人ということだけだ。それだけで、私たちは家から自由に出られない」
映画の中でインタビューに答えていたパレスチナの人の言葉です。
この地では、少数になったパレスチナ人はイスラエル政府によって外出が著しく制限されています。子どもたちも、玄関先に金網を張った中のせまいところでしか遊ぶことができなくて、まるで刑務所の中にいるようでした。
「イスラエルがどんなにパレスチナの土地を破壊し、パレスチナの人を投獄しても、私たちの自由を求める精神を止めることはできない。いつか私たちは自由になると確信している」
パレスチナのNGOの活動家は言います。
長い歴史の中のわずか100年ほどの対立ですが、なかなか解決の糸口が見つからないこの状況、私たちには何ができるのでしょうか?
コメント
このあいだ、テレビで、封鎖されているガザ地区のドキュメンタリーをやっていましたが、白血病やその他の重篤な病気の子どもたちが、イスラエルとエジプトの封鎖によって、医療が受けられず、死んで行くお話でした。1件だけ、イスラエルの慈善団体に救われて、テルアビブの病院に行くことができたそうです。
イスラエルの攻撃によって家族を殺された子どもたちは、戦争ごっこ(イスラエルのスパイを水につけて白状させる遊びとか、カラシニコフで撃ち合うとか)や明らかにPTSDが感じられる絵を描いたりしていました。子どもたちは一様にイスラエルに復讐したいと語っていて、パレスチナのカウンセラーは、このままでは、憎しみの世代が育って行くと、危機感を語っていました。
戦争がおこると一番被害を受けるのは市民なのですよね、、、
紛争地帯のドキュメンタリーなど見ると、このことを、政府はどう思っているのかいつも不思議に思います。
戦争によって儲かる企業がある限り、なくならないのでしょうか。
戦争も経済行為の一つなのですね。日本の武器輸出の自由化が言われていますが、死の商人を育て、戦争で儲かる仕組みを作って行くことになるのですね。
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