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秋山映美の「監獄から社会へ」

「逮捕」の意味

 このところ、海上保安庁の保安官が船舶の衝突の動画をYouTubeに流したということの是非が話題になっています。
 今回の出来事とそれに関する意見を通して感じたのは、日本では、「逮捕」の重みがものすごいということです。

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 今回、この保安官の逮捕は見送られたとのことで、安堵の声もきこえますが、そもそも、捜査は任意捜査が原則であり、証拠隠滅や逃亡のおそれがなければ逮捕する必要はないのです。
 逮捕=有罪というイメージが強いかもしれませんが、逮捕はあくまでも証拠隠滅や逃亡を防止するための強制的な手段であって、決して逮捕された人が有罪であると決まったわけではありません。
 もちろん、人の身体の自由を奪うことになるので、簡単に逮捕されては困るのですが・・・。

 今回のケース、日本と中国の外交問題も関係していて、新聞や雑誌、ウェブの記事やコメントなどを見るとなかなか複雑ですが、それはさておき、保安官の行為は内部告発なのか、情報流出なのか?どのように判断されるのでしょうか。
 保安官が映像をYoutubeにアップする前に、すでに一部の国会議員が映像を見ていて、その議員のコメントをもとにメディアが再現して解説をしていましたし・・・。

 また、今回の映像に限らず、外交に関する情報は非公開のものも少なくありません。内容はともかくとして、政府が非公開にしていた情報をインターネットで流してしまうというのは、危機管理という意味では問題かもしれませんね。


コメント


 日本って「推定無罪」が現実には成り立ってない国ですよね。裁判どころか、逮捕された段階で、容疑者(確か、昔は「犯人」って呼ばれてましたよね)はもう真っ黒い存在なわけで。
 判決で、「被告はすでに社会的制裁を受けており…」などという文章が盛り込まれることってなかったでしたっけ? それで、刑が軽減されたり、執行猶予がついたり。私は現実(ノンフィクション)と推理小説(フィクション)を混同しているのでしょうか。
 今回のことは、政治的思惑が絡んでいますが、一般的に見て、「逮捕」=「犯罪者」という構図を描くのはどうかと思うのですが。
 日本人は「疑わしき者は罰せず」ではなく「疑わしき者は犯罪者」という意識があるような気がしますが、これも「文化」なのでしょうか。


投稿者: ニャン吉 | 2010年11月19日 17:13

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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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