山谷を歩いてきました その2
先週の続きで「きぼうのいえ」の山本さんの話です。
山谷の町を歩いたあと、山本さんからお話を伺いました。
今ある1カ所だけでは、「きぼうのいえ」を必要としている人たちをみなケアすることができなくて、このような施設が不足しているのではないかと山本さんは感じているようです。
そこで数年前からヘルパーステーションを作り山谷で暮らす人たちのところへヘルパーさんを派遣しているそうです。この日も、町を歩いていたら、山本さんのところのヘルパーさんに会いました。
山本さんは、「きぼうのいえ」がたくさんできれば、この町の人たちが安心して最期を迎えることができるのではないかと考えて、いろいろな取り組みをされています。
とはいえ、身寄りのない人などが入居するホスピスは、とても儲けになるとは思えず、いろいろ苦労もあるようです。また、このような施設をつくるときに地域の人に受け入れてもらうのはなかなか大変なようです。
刑事施設から出所した人たちの受け入れ施設が地域で受け入れられにくいことと共通点がありそうです。
私が、全国各地で更生保護施設の建設が頓挫しているという話をしたところ、山本さんは、「地域定着支援センター(更生保護施設)などのような入居者を限定した施設では、そこにいるだけで自分は元受刑者だといっているようなものだ」とおっしゃられていました。
確かに、出所した後、社会復帰するまでの間、なんらかの支援を受けられる場所は必要ですが、利用者を元受刑者に限らない、複合的な施設があっても良いのかもしれないと思いました。
「きぼうのいえ」にたどり着いた人の中には、刑務所を経験した人もいると思いますが、山本さんは、過去のことより、その人が最期を迎える今をどのようにプロデュースするか、ということに力を入れているようでした。
山本さんの話を聞いてあらためてすごい人だと思いました。自分を信じて、自分が目指す方向に突き進んでいく。それにたくさんの人がついて行き、いろいろな事を実現する。
なかなか真似できることではありませんが、何かヒントをもらえたような気がします。
コメント
地域定着支援センターは最近法務省保護局が力を入れているらしいのですが、どうしても地域住民との間の軋轢が出てきてしまうようです。
住民の感覚、分からないでもないのですが、そんなふうにレッテル貼っていては、その地域自体も前に進めないのではないかと思います。
地域の自治会とかの体質を見ていると、なかなか難しいとは思いますが、地域定着支援センターも「きぼうのいえ」のような試みも、もっと地域の協力を得たいですね。
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