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秋山映美の「監獄から社会へ」

刑務所の中で使えるもの

 刑務所の中では、衣服や筆記用具など日用品は受刑者に支給されたり貸与されたりします。品物によって支給されるものと貸与されるものが決められています。
 詳しく知りたい方は、法務省のウェブサイトの訓令をご覧ください。支給されるもの、貸与されるもの、購入することができるものなどの一覧が示されています。

 たとえば、布団や下着、衣服、筆記用具などは貸与され、ちり紙や石けんは支給されます。ちなみに、シャンプーは女性にのみ支給されます。

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 そして、私はいつも不思議に思うのですが、歯ブラシは「貸与」されるのです。
 以前、警察留置場に勾留されている被収容者からの手紙には「留置場内では、誰かが使用した歯ブラシを渡され気持ち悪くて使うことができない」と書いてありました。
 最初は、「使用済みの歯ブラシを渡されるなんて、いじめられているのではないか」なんて心配しましたが、良く調べてみると、刑事施設に関する訓令にも、歯ブラシは貸与されるものと示されています。
 受刑者からはこのような相談が届くことはないので、使用済みの歯ブラシが渡されているとは考えられませんが実際はどうなのでしょうか?ちなみに、つまようじは支給されるとのことです。
 受刑者に貸与されるものや支給されるものでも、下着などの衣服、歯ブラシや筆記用具など、受刑者がお金を出せば購入することができるものもあります。しかし、購入する業者は刑務所長が指定するため、好きなメーカーのものを選べるわけではありません。

 このほか、刑務所長が許可すればお菓子を購入したり、CDプレイヤーや花瓶などの室内装飾品を借りることもできます。ただし、この許可は刑務所長の決定によるものなので、全員が借りたり購入できたりするわけではありません。刑務所内での「行いが良い」人は購入もしくは借りることができるかもしれないということです。

 刑務所内での決まりごとは、良くも悪くも、刑務所長の裁量で決められているものが多いため、交渉次第で購入できるものもあります。
 そこで、刑務所内で生活する上で欠かせないものや出所後の社会復帰に役立ちそうなものについて相談があった際は、受刑者に、刑務所長などと粘り強く交渉してみてくださいとアドバイスしています。


コメント


 24歳の身内の男子が、少年刑務所に入ることになりました。入所にあたり、お金が必要なので、お金を送って欲しいと手紙がありました。
 衣類、書籍も一緒に送って欲しいとあるのですが、刑務所というところは集団生活で、皆、同じものを着て(制服みたいな)生活するのかと思っていましたが、本当に現金が必要なのでしょうか?本などはお願いすれば読ませてもらえると思っていました。
 最初の窃盗犯で捕まったときは実刑ではなかったのですが、続けて窃盗を犯してしまったので、実刑3年となりました。


投稿者: Anonymous | 2010年10月09日 21:11

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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