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秋山映美の「監獄から社会へ」

仮釈放の判断基準

 2月26日のブログについて、仮釈放の方が満期出所の人よりも反省しているとは限らないのではないかとのご指摘のメールをいただきました。
 私も、その通りだと思っています。
 ブログでは、わかりやすく説明しようとして、少し誤解を受けるような表現になってしまいましたので、あらためて私がお伝えしたかったことを書こうと思います。

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 私がお伝えしたかったことは、満期出所者にも保護観察をつけることで再犯率の低下を目指すというのではなく、刑務所の中での処遇プログラムの充実や出所するための環境調整、住居の提供や就労支援などが重要なのではないかということです。
 決して、仮釈放で出所する人は、満期で出所する人よりも行いが良くて、反省している人であるということを言いたかったわけではありません。
 それは、「仮釈放、仮出場及び仮退院並びに保護観察等に関する規則(昭和四十九年四月一日法務省令第二十四号)」の第31条にある「仮釈放許可の基準」に「悔悟の情が認められる」こととあるため、そのように判断された人であるということを言いたかったのです。この「悔悟の情が認められる」というのをより簡単にと思って、反省しているという言葉を使ったのです。

 この「反省しているかどうか」、「悔悟の情が認められるかどうか」というのはその人の内面の問題ですので、判断が非常に難しいものです。反省しているように刑務官にアピールできる人、刑務所の中でうまく立ち回れる人が刑務官から気に入られて早くに仮釈放で出所できる一方で、不器用な人はさまざまな問題について刑務官に正面から不当性を訴え、刑務官からは反抗ばかりする人だとレッテルを貼られてしまい、ちょっとしたことで懲罰を受けたりして、仮釈放が認められないということもたくさんあります。

 このことで受刑者は失望して、「どうせ頑張っても仮釈放になれないのだから」と意欲をなくしてしまう方もいます。
 そうならないように仮釈放の審査の方法や不服申し立て制度を整える必要があるのではないかと思います。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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