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秋山映美の「監獄から社会へ」 2010年04月

宮崎刑務所で虐待

 23日の朝日新聞に、宮崎刑務所で保護室に入れられた受刑者が虐待された疑いがあるということが報じられていました。

 保護室は、錯乱状態になってしまった受刑者を落ち着かせるために利用されたりしていますが、時には、刑務官に対して激しく抗議をしている受刑者を懲らしめるために使われているのではないかと思われるケースもあります。



刑務所の中で使えるもの

 刑務所の中では、衣服や筆記用具など日用品は受刑者に支給されたり貸与されたりします。品物によって支給されるものと貸与されるものが決められています。
 詳しく知りたい方は、法務省のウェブサイトの訓令をご覧ください。支給されるもの、貸与されるもの、購入することができるものなどの一覧が示されています。

 たとえば、布団や下着、衣服、筆記用具などは貸与され、ちり紙や石けんは支給されます。ちなみに、シャンプーは女性にのみ支給されます。



中国の死刑執行について

 6日に、中国で麻薬密輸の罪で死刑を宣告されていた日本人の死刑が執行されました。
 また、これとは別に、麻薬密輸の罪で死刑執行を通告されている日本人が3人います。

 今回の執行は、犯罪と刑罰のバランスというものを考えさせられました。
 ハムラビ法典にある「目には目を、歯には歯を」という言葉が、「目をやられたら、目をやり返せ」という意味であるように理解されていますが、本当は違う意味だということをご存知でしょうか?
 この言葉は、「目を取られたら、目を取る以上のことはしてはいけませんよ。鼻や口まで取ってはいけませんよ」という刑罰の最高限度を示しているのです。
 そもそも、いろいろなプログラムや処遇方法が開発されている現代では、腕を折られたからといって、「腕折りの刑」なんていう判決がでることはありません。
 罪を犯した人は、刑務所という場で更生のためのプログラムを受け、社会へ戻ってゆくのです。



仮釈放の判断基準

 2月26日のブログについて、仮釈放の方が満期出所の人よりも反省しているとは限らないのではないかとのご指摘のメールをいただきました。
 私も、その通りだと思っています。
 ブログでは、わかりやすく説明しようとして、少し誤解を受けるような表現になってしまいましたので、あらためて私がお伝えしたかったことを書こうと思います。



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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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