シェイク・ハンズ・プロジェクト
1月8日のブログに梢さんからコメントをいただいていましたが、なかなか返信ができなかったので、今回はそのコメントにお答えするつもりで書こうと思います。
受刑者の方たちと手紙のやり取りをしていると、監獄人権センター以外に手紙をだせるところがない人がかなりいるのではないかなと感じることがあります。
以前は、手紙を出せる相手は家族や親戚に限られていましたが、法律が新しくなり、友人や知人にも手紙を出せるようになりました。それにもかかわらず、監獄人権センターには現在もたくさんの手紙が届いています。
もちろん、専門的な情報がほしいという方や深刻な相談をしたいという方もいらっしゃいますが、どうしたらいいのかわからない胸のうちを聞いてほしいというような手紙も多数あります。
監獄人権センターでは、相談への対応以外にも、「シェイク・ハンズ・プロジェクト」といって、受刑者や裁判中の被拘禁者と、登録しているボランティアが文通をする仲介を行うプロジェクトも行っています。
8月のブログでもご紹介しましたが、現在30組の人たちが文通をしています。文通によって、受刑者は外の社会の情報を得たり、つながりを持ったりすることができ、ボランティアは刑務所の中の様子や受刑者のおかれている状況を知ることができるのです。
ボランティアには、文通が長く続いている方がいます。最初は刑務所や受刑者のことについてほとんど知らなくても、文通を続けているうちに、受刑者の育った環境や考えていることなどを知るようになり、親身になって返事を書いてくださるようになる方もたくさんいます。時には、監獄人権センターに文通をした感想を寄せてくださる方もいらっしゃいます。
(「シェイク・ハンズ・プロジェクト」による文通は、相談事業ではないので、難しい質問には答える必要はありません)
現在は、6ヶ所の刑事施設の被拘禁者が「シェイク・ハンズ・プロジェクト」に参加しているのですが、文通や面会などは刑事施設の所長の裁量で不許可にすることもできるため、受刑者が「シェイク・ハンズ・プロジェクト」に参加させてもらえないという刑務所もいくつかありました。
ちなみに、中国の刑務所に服役している受刑者にも「シェイク・ハンズ・プロジェクト」に参加している方がいます。
文通は手紙を郵送して行うため、ボランティアの皆さんは名前と住所と連絡先を監獄人権センターに登録している方たちです。それにもかかわらず、文通が不許可になってしまったという報告を聞くと、非常に残念に思います。
一度不許可とされ、不服申し立てを行い文通の許可がおりたケースもあります。なので、「シェイク・ハンズ・プロジェクト」に参加しようとしたけど不許可になったという受刑者には、あきらめないで不服申し立てを行うようアドバイスをすることもあります。
しかし、不服申し立ては回答が出るまでに時間がかかるため、申し立てによって所長の不許可の判断が覆ったにもかかわらず、本人にその結果が通知された頃には、出所間近であったため、結局文通できなかったということもありました。
手紙という限られた方法ではありますが、受刑者にとって、社会とのつながりを持ち続けることは、社会復帰のために非常に意味があることです。ぜひ、刑務所には「不許可」なんて言わないでいてほしいと願っています。
コメント
こんにちは。コメントへの回答を頂きありがとうございます。
私は先日の社会福祉士試験を受験したばかりの者です。
8月のブログを読み返してみて、そう言えば前にも拝見した内容だと気がつきました。
ボランティアマニュアルの表紙、ほのぼのして可愛いくていいですね。
近頃は私も手書きの手紙、それも封書を送ることはめっきり減ってEメールばかりですが、以前は手紙が大好きでした。文通用に絵葉書やレターセット、切手など好きなのを買い求めては大量に使っていました。
内容ももちろんですが、刑務所の中はやはり殺風景なことが多いのかな?と思うと、きれいな絵柄の便りが中の方の手元に届くだけでも心が和みそうですね。出す方も楽しいと思います。
シェイク・ハンズ・プロジェクト、難しくないのかな? 一度センターへお尋ねしてみようかと思いました。
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